2018.06.28 | イベント

基調講演①:株式会社ハレックス様「アナリティクスで生まれ変わる気象情報ビジネス」

2018年6月20日に開催された『第1回Weather Driven Marketing Summit』では、総合気象会社のパイオニアであるハレックス株式会社さま/世界最大規模の気象会社であるザ・ウェザーカンパニーやAIソリューションを保有する日本IBM株式会社さま/クリエイティブな提案を得意とする大手広告代理店である株式会社大広さまの皆様に、今後の気象データの活用について講演をしていただきました。第1回Weather Driven Marketing Summitの様子について、各講演内容を4回に分けてお届けしていきます。

1週目は、株式会社ハレックス前代表取締役である越智正昭氏の講演についてのレポートです。ハレックスさまの講演では、気象データとはどんなものなのか、気象データの過去活用事例や先進的な活用事例をご紹介していただきました。

そもそも皆さんは、「気象データ」と聞いて何を思いますか?晴れや雨などの天気や気温、湿度や風速などを連想する方が多いのではないでしょうか?もちろんそれらのデータも「気象」です。しかしながら、ハレックス社はそれだけでなく、地震や火山活動などの「地象」や波浪・海流などの「海象」を含めて「気象データ」という捉え方をしています。

それらは、短期的にはマーケティングや防災などに活用でき、長期的には環境などの地球規模のデータ観測に活用できるようになります。そのように、交通や消費などの私たちの日々の生活から農業や流通などの産業、災害対策や自然エネルギーなどに至るまで影響を持つ「気象」は、世の中の最底辺のインフラと言えるでしょう。

1993年に気象事業が民間開放されてから現代に至るまでと世の中のインターネット普及などの背景を受けて、気象情報ビジネスは大きな変換期を迎えているとのお話もありました。インターネットをはじめとし、観測技術の向上やAIやIoTなどのテクノロジーの進化により、気象データそのもののデータ量・質も向上しましたし、その活用の幅も大きく広がりました。気象データと技術とアイデアが融合することで、これまでになかった気象ビジネスがどんどん生まれてきているのです。

また、ハレックス社は、気象データの可視化についても、これまでの紙媒体を基本とした静的表現ではなく、リアルタイムかつ動的な表現を実現しています。

また過去データの重要性も説いており、2012年1月以降で日本全国1キロメッシュ、約40万地点でのデータ提供も行っています。過去データを活用し、自社がもともと保有しているデータなどの外部データと掛け合わせることで、自分たちのマーケティングデータや様々な視点での分析が可能になり、ビジネスの幅も大きく広がっていきます。

これまでハレックス社では、スーパーでの受発注管理やルートナビ、施設の芝の生育管理、デジタルサイネージを活用したマーケティング、自然エネルギー事業など様々な業種・業態で、気象データの活用についての支援をしています。

最近では、統計分析手法を駆使した来店客数の予測や気象情報と観光地を連動させた観光案内、酪農における牧草の生育管理や刈り取り作業への活用など、先進的な活用も多岐にわたる分野で進んでいます。気象データは、活用の幅が広そうだなと漠然に思っていた中で、具体的な活用事例を知ることができ、それなら自分たちの事業への活用ではどんなことができるのかを考える大変良いきっかけとなりました。

 まだまだ気象データの活用ができる業種・業態はあるかと思います。自分たちが活用するならどのようなことができるのか、気象データを活用したいということであれば、ぜひ一度お気軽にお問い合わせいただければと思います。

次号では、日本IBM社の講演内容についてお届けいたします。ぜひお楽しみに!



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