2019年9月2日に東京・渋谷にて、気象データを活用したビジネス・サービスの最新事例や気象データの可能性を共有する場として、Weather Driven Marketing Summit(ウェザードリブンマーケティングサミット:WDMS)を開催致しました。
WDMSは、2018年より弊社が主催となり開催しているビジネスサミットです。昨年は第1回目ということもあり、そもそも気象データとは何か?どのようにすれば活用できるのか?など、方法論や可能性の話を中心に実施しました。
第2回目となる今回は、昨年のウェザードリブンマーケティングサミットから1年が経過し、具体的な活用・実装事例が出てきておりますので、実際に気象データの活用に踏み切った企業の方々などをお招きし、ご講演をしていただきました。
今回の登壇者は、株式会社ハレックス様、株式会社三越伊勢丹ホールディングス様、春秋航空日本株式会社様、元am/pmジャパン代表取締役であり、TSUNAGU・パートナーズ代表取締役・グロービス経営大学院教授である相澤様をゲストとしてお迎えしました。
当日の開催報告を数回に分けてお届けしたいと思います!
三越伊勢丹ホールディングス様の講演は、弊社代表の泉とのトークセッション形式で実施いたしました。
弊社と三越伊勢丹様が協業するきっかけとなった「アクセラレータープログラム」の紹介から、なぜ弊社の気象データを活用したサービスであるTNQLをアクセラレータープログラムに採用頂いたのかの背景などについてもお伺いしました。
弊社と三越伊勢丹さまが協業した内容のご紹介として、三越伊勢丹さまのオンラインストアにTNQLの機能を実装することで、メンズのフレグランスを天候に応じてリコメンドするというサービスを開発いたしました。
これは、実際の店舗でフレグランスをお勧めする際には、天気に関連してどのような香りが合うか、なども接客として実施していることから、本来対面でしか実現できなかった天気に応じたフレグランスのリコメンドがデジタル上で実現しています。
その他にも、三越伊勢丹さまは様々なデータをお持ちの中で、データの掛け合わせの一つとして気象データを活用した取り組みを実施いたしました。顧客データや販売データなどの様々なデータがあり、気象データ以外のデータも掛け合わせることで、これまでになかったサービスを実現することが可能です。
日本を代表する企業であり百貨店である三越伊勢丹さまと共同でプロジェクト開発ができる機会が得られるアクセラレータープログラムの有意性を改めて実感できる機会となりました。
NTTデータグループ唯一の気象情報会社であるハレックス様のご講演では、気象情報会社ならではの視点で、これまでに実施してきた豊富な気象データの活用事例をご紹介いただきました。
具体的には4つの事例をご紹介いただきました。その4つとは、「蚊」「おもてなし」「ゲーム」「コミュニケーション」の4つです。
すべてをご紹介はできませんが、例えば「おもてなし」だと、富士山を観に来た観光客に対し、気象変動の多い富士山の周りの気象条件に応じて満足度の高いビュースポットを提案することで、最高の思い出のお手伝いをしている事例となります。
「コミュニケーション」は、コールセンターのテレフォンオペレーターでの事例になります。電話をかけてきたお客様の地点における数日間の気象情報を瞬時に確認し、天気を会話のフックにできるようにすることで「Only you」効果を実現し、リピーター獲得に1役を果たしている事例です。
しかしながら、本事例はおよそ10年前の事例です。現在は、テクノロジーの進化により、もっと気象データの活用の幅は広がっています。また気象データの活用では必ず話題に上がる長期予報についてもお話がありました。
まだまだ長期予報については、技術的要因などで傾向分析になりますが、その中でもできることや提供可能なこともあるかと思います。その点については、IT技術を活用している気象情報会社のシステムと気象予報士によるコンサルティングなどで補完的に長期予報の活用にも相談に乗っていただけるとのことです。まだまだ活用の幅が広がる気象データ、アイデア次第ではこれまでになかったビジネスやサービスの開発が可能です。
どちらの企業の講演もとても内容が濃く、すべてをお伝えできませんが、気象データや様々なデータを活用していくことで、新しいビジネス・サービスの実現や、これまでには実現できなかったマーケティングが実現できます。気象データの活用に少しでも興味をお持ちいただけましたら、お気軽にご連絡いただければと思います。
次回は春秋航空日本様とTSUNAGU・パートナーズ相澤様の講演についてのレポートをしたいと思います。
ぜひお楽しみに!