2020.10.01 | コラム

本ブログでは、前回のFacebook/Instagram広告に続き、Google広告(リスティング広告)について、気象に連動した広告の配信例をご紹介します。

ステップ1:広告配信の前提となる気象条件を考える

広告配信の前提条件は前回のブログ同様、様々な業種の売上に影響すると思われる気象条件を9つ設定しています。前回の実験では「雨天」「猛暑」など1日単位の天候に焦点を当てていましたが、今回は新たに「雨→晴れ」「2日連続雨」など、2日間における天候の変化を条件に加えてみました。

過去にルグランが来店データを分析した百貨店では、同じ「晴れ」の日でも、それが「連続する晴れ」なのか「数日ぶりの晴れ」なのかによって、来客数に大きな差が生じるというデータが出ています。これらの結果を考慮して2日間における天候の変化を追加しました。

ステップ2:気象条件に合わせて配信する広告を用意する

気象条件の設定が完了したら、次はそれぞれの気象に合わせた広告を作成します。今回は、天気に合わせて商品やサービス・コンテンツをリコメンドできるルグランの天候ドリブンなレコメンドエンジン「TNQL API」の広告を配信します。

こちらは実際に配信したGoogle広告のリスティング広告のイメージです。

▲「雨天」時の広告パターン

▲「猛暑」時の広告パターン

ステップ3:配信結果をチェックする

以下では、8/20~9/10の期間におけるGoogle広告の配信結果を掲載しています。

8月末から9月上旬にかけては、全国的に雨模様であったことに加えて、大型の台風が九州を通過したことは記憶に新しいと思います。その影響もあって、広告は雨天に関連する気象条件が比較的多く配信されました。

続いて、こちらのグラフではそれぞれの気象条件をもとに配信された広告のクリック率を掲載しています。

WordStream社の調査によると、BtoB向けサービスのリスティング広告の平均クリック率は2.41%とも言われていますが、「TNQL API」の広告は全体で4.10%と平均を大きく上回っています。

気象条件にあわせて広告を配信することで、平均を大きく上回るクリック率を実現できたといえる部分もありそうです。

また、「2日連続雨」「夕立」「雨天」におけるクリック率は3%前後と、他の気象条件と比較して1~3%も差が開いているのは興味深いですね。「雨に伴う条件下ではクリック率が低くなる」もしくは「BtoB向けサービスの広告は雨天とは相性が悪い」など、何らかの規則性があるかもしれません。雨天における広告のクリック率の影響は今後も深堀りをしていきたいところです。

次に地域別の広告配信状況を見てみましょう。

こちらは九州地方における「雨天」と「強風」時の広告配信におけるインプレッション数の推移を記載したグラフです。

9/5~7にかけて非常に強い勢力の台風10号が九州に接近・通過した影響で、「雨天」「強風」のインプレッションが一時的に大きく増加する一方、台風10号が通過した9/8以降は一転して穏やかな天気になったこともあり、「雨天」「強風」のインプレッションは減少していることがわかります。

このようにGoogleのリスティング広告においても、設定した気象条件に応じて、広告の配信がきちんと制御できていることが分かります。

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