2020.03.04 | UX

インターネットラジオや音楽のストリーミング配信、スマートスピーカーの普及に伴い、デジタル音声広告が広告の一つとして定着しつつあります。

音声広告はもともとラジオ広告が主流でしたが、広告の配信先がインターネット上へと移行したことで、特定のユーザーへのターゲティングが可能になりました。従来のマス広告としての特徴を持ちながらインターネット広告の強みを持つデジタル音声広告は、今後さらに発展していくことが予想されます。

広告としての煩わしさ

音声広告のみならず、あらゆるメディアを通して普及してきた昨今の広告ビジネスですが、広告配信のやり方によってはユーザーにかなり煩わしさを感じさせてしまいます。その典型が画面いっぱいに表示され、ユーザーの視認性を阻害するバナー広告であったり、極端に長い動画広告です。これらの手法はあくまで数字の上では広告主にとって満足のいく結果になるかもしれませんが、UXを考慮されていない広告はユーザーを不快にさせます。

77%の人は音声広告に煩わしさを感じない

昨年4月、Adobeが音声広告に関する興味深いレポートを発表しています。

25%の人はスマートスピーカーで音声広告を聞いたことがあると答え、その多くの人が問題ないと回答しました。実際、消費者の38%が、音声広告はテレビ、印刷物、オンライン、SNSの広告より押し付けがましくないと答えました。さらに、39%の人は音声広告は他のチャネルの広告より興味を引くと回答しています。

引用元:State of Voice Assistants 2019 from Adobe

Adobeのレポートによれば、実に77%の人が音声広告に押しつけがましさや煩わしさを感じないと回答しています。その理由としては主に二つ考えられます。

一つは「流し聞き」ができることです。動画広告と違って、広告が終わらなければその先のコンテンツにたどり着けないということはありません。画面を埋めつくすバナー広告のように、閲覧を妨げることもありません。音声広告はユーザーのUXを阻害することがあまりないため、他の広告と違って煩わしさを感じにくい傾向にあると考えられます。通常のラジオ広告にも同様のことが言えます。

しかし、デジタル音声広告はそこにターゲティングが加わるため、パーソナライズされた広告を流すことが可能になります。ユーザーごとにその場・その時に適した広告を配信することで、広告としての押しつけがましさや煩わしさを軽減することができ、むしろユーザーにとって役に立つ情報の提供につながります。

デジタル音声広告の今後

スマートスピーカーやIoT家電の普及に伴い、今後デジタル音声広告の市場はさらなる成長が見込まれます。Adobeのレポート内にある「どの種類のデバイスに音声機能が必要か」という質問に対して、各種家電製品が複数候補としてあげられています。音声機能のニーズがあるデバイスはすなわち、音声広告の配信先にもなり得ます。

現在、ルグランではIoT家電を媒体にした音声広告ビジネスを検討しています。広告プラットフォームとして定着させるには、家電の利用状況やユーザー属性を考慮して、いかに最適な広告を配信できる仕組みを作れるかがカギとなりそうです。



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