最近話題のクッキーレス。クッキーレスによってターゲティングの精度が落ち、リターゲティング広告が利用できなくなることで、ウェブマーケティング戦略やサイト作成の見直しが余儀なくされています。3rdパーティクッキーが利用できたこれまでは、ユーザーのターゲティングを広告媒体側に委ねておくことが出来ましたが、クッキーレス時代においては顧客をきちんと自社で管理することに加え、今まで焦点を当てていたユーザーの「属性」データから「興味や行動」データへと改めることが求められます(パーソナライゼーション2.0)。
では、個人情報の取得が厳しく制限されるこれからの時代にマッチしたパーソナライズ方法はどのようなものでしょうか。パーソナライゼーションにより、上質なUXを提供している事例を紹介します。
Amazonでは購入履歴や閲覧履歴に基づいて、どのような製品がユーザーの好みに合いそうかを学習し、ユーザーが購入しやすいよう「あなたへのおすすめ」を提案してくれます。購入や興味といったデータを利用し、パーソナライゼーションを行うことで、購入プロセスが加速し、ユーザーが何度も購入がしやすくなります。
旅行大手代理店の日本旅行では、「タイミング」のパーソナライゼーションを行いました。通常、皆さんが旅行プランを立てるときは1つのサイトだけで決めることは少ないかと思われます。いくつかのサイトを回遊しながら、複数の旅行商品から値段・サービス・口コミなどを参考に比較検討しながら決めることが候補を絞っていくことがほとんどではないでしょうか。日本旅行では、何度も同じサイトを訪問し来訪頻度が高まっているユーザーに限定してクーポンを配布しました。その結果、通常のバナーに対して約3倍、メールに対して約1.7倍コンバージョン率が上昇しました。
無印商品では「属性」ターゲティングをあえて絞らないマーケティング戦略を取っているようです。特定の誰かではなく、誰にとっても必要であり、手に取りやすい商品展開になっています。提供する商品・サービスによっては、みんなが手に取りやすいようにあえて「属性」ターゲティングを絞らない戦略も検証対象になるでしょう。その時必要になってくるのは、やはり、いつ・どこで・何で手を取ることになるかという「興味や行動」によるターゲティングではないでしょうか。
弊社では、個人情報を使わずに顧客の解像度を上げていく手段の1つとして、天気に合わせたターゲティングを提供しています。雨の日に外出予定があるときは傘やレインシューズなどの購買意欲が増すことは容易に想像がつくでしょう。最近では、気温が上昇し、本格的に夏を感じ始めていますが、私はさっぱりとしたシャーベットのアイスを買う機会が増えました。このように天気によって人の行動が変化することはわかっているのに、実際に天気に合わせたターゲティングができないという問題を解決すべく、天気に連動した広告配信ツールweathermarketing.netを開発しました。3rdパーティデータに代わるパーソナライゼーション方法をお探しの方はぜひ天気を利用したパーソナライゼーションをお試しください。