2022.05.26 | コラム

海外でのBlack Lives Matter運動に端を発し、ユニリーバやロレアルといった大手系商品メーカーが自社製品の説明から「ホワイトニング(美白)」という表現を使うことをやめ、日本でも花王が全ての商品で美白表現を削除することを発表したのはまだ記憶に新しく、近年は一元的な「美しさ、綺麗さ」から個々の多様性を大切にするという考え方が広がっており、PR施策にも影響を与えています。

傷跡や火傷跡などに塗ることで自然治癒を促進し跡を目立たなくするメルツのスキンケアブランド・メデルマは、国際女性デーに合わせ「Break the Bias(偏見を打ち砕こう)」というコンセプトでPRを実施。

広告には「傷跡を理由に頂上を目指すのをやめないで」「自分の行く先々に跡を残そう」等のメッセージが添えられており、「傷跡を綺麗に!(=傷跡がない・目立たない方が絶対に美しい)」というPRではなく、自分の一部として前向きに付き合っていこうという姿勢が見られます。

また衣類用の洗剤などを販売していえるABCは、「Some spots are worth keeping(残す価値のあるシミもある)」というコンセプトでPR動画を公開しました。

この動画では首元に母斑をもって産まれたことにコンプレックスを感じ、なるべく隠しながら過ごしてきた女性が、最終的には自分の一部としてそれを受け入れて克服する様子が描かれています。洗剤の広告ではシミを落とし綺麗にすることをPRしていることを逆手にとり、自分の身体的な特徴にコンプレックスを持っている人を応援するようなメッセージになっています。
誰でも多かれ少なかれ自分の見た目を気にしているからこそ、今後もこうした個々の多様性を応援する施策がトレンドになりそうです。

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