2023.11.30 | コラム

11月7日の東京での最高気温は、27.5℃に達し、100年前の1923年(大正12年)11月1日に観測した27.3℃を100年振りに更新しました。100年前の観測記録が残っているのも驚くべきことですが、100年振りの最高気温更新がどうしておきたのでしょうか?

気象庁のWebサイトに行くと、以下の記述があります。
「地球温暖化の影響などにより、全球で大気全体の温度が高いでしょう。」
(3か月予報(2023年10月24日発表の気象庁解説より)
地球全体での大気温度が高めになっていることがわかります。

さらに、大気温度が高めになっていることによって、どのような気象現象が世界各地で起きているのかというと更に以下のような説明があります。
「エルニーニョ現象と、正のインド洋ダイポールモード現象により…」
エルニーニョ現象は、聞いたことがありましたが、正のインド洋ダイポールモード現象とははじめて聞きました。それぞれの定義を確認してみることにします。
そもそもエルニーニョ現象。ラニーニャ現象は、海の現象でありそれが気象に影響を与えています。

<エルニーニョ現象とは>
・太平洋の赤道域の東側の海面水温が高くなる現象
・日本は、冷夏・暖冬になりやすい

<ラニーニャ現象とは>
・太平洋の赤道域の西側の海面水温が高くなる現象
・日本は、暑夏・寒冬になりやすい

エルニーニョ現象とラニーニャ現象
 気象庁のWebサイトより

これらの現象のはじまりは、太平洋に吹いている貿易風(東風:東から西に吹く風)がなんらかの原因(まだその真の原因は解明されておりません!)で、
・弱まる時が、エルニーニョ現象
・強まる時が、ラニーニャ現象

エルニーニョ/ラニーニャがスペインで、神の男の子/女の子と命名されてしまったのが分かりにくさを作り出しているかもしれません。

それに対して、インド洋のダイポールモード現象は、次の通りなのですが、海水温の分布様式はエルニーニョ現象とは東西が逆で表現されており、地球温暖化の理解を進めるためにも今後の統一化を望みます。こちらもエルニーニョ/ラニーニャ現象と同じくなんらかの影響で貿易風(東風:東から西に吹く風)が変化した時の海の現象です。

<正のダイポールモード現象>
・インド洋の東側の海水温が低くなる(東風が強まって西側に高温の海水が滞留する)

<負のダイポールモード現象>
・インド様の東側に高温の海水が滞留(東側が弱まって東側に高温の海水が滞留する)

さて、前提での気象用語の整理ができた所で2023年の各現象はどうなっているのかというと、

・エルニーニョ現象発生中。
 スーパーエルニーニョと言われるレベルで発生しています。通常は海水温が、0.5℃高ければエルニーニョと言われますが、現在発生しているエルニーニョは、2.2℃も高く、観測史上2番目の高温になっています。

・正のインド洋ダイポール現象発生中。
 こちらが発生している時の日本への影響は、偏西風(西風:西から東に吹く風)が日本付近で蛇行(通常より北側を通過)するため、寒気の南下が弱くなるため、暖冬になる傾向が強まります。


気象庁のWebサイトより

暖冬傾向になる。という地球規模での海洋現象が2つ発生している今年。暖冬になるでしょうか?これらはあくまでも気象予報による長期予報の部類に該当します。長期予報は過去の傾向から導き出されています。気象用語の中で「平年」という言葉をよく使いますが、平年とは何かご存知でしょうか?気象庁が使っている平年は、過去30年間の気象データの平均です。近年、地球温暖化で過去の傾向が変わって来ていると言われていますが、気象庁はこの30年を変更していません。

米国はどうでしょうか?過去からの積み上げということではこの30年平均も引き続き活用もしていますが、直近10年だけでの平均も扱うようになっています。やはりこの決断をしているのは、地球温暖化の影響が近年確実にあるという認識に立っての新たな指標の追加であると考えられます。

過去の傾向値からだけでは予想が難しくなってしまった、現在の気象環境は、物理モデルで計算する短期予報(14日先までの気象予報)を活用すべきです。
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