2023.02.09 | コラム

テキストで質問をするとAIがまるで人間が考えたような文章で回答を行ってくれる『ChatGPT』は、2022年11月に米国のAI研究企業OpenAIがリリースし、その高度な技術から世界の注目を集め、既に日本でも話題になっています。

リリースからわずか5日でユーザー数が100万人を突破しており、Facebookは100万人突破を達成するのに約10ヶ月を要しているのを考えると、いかに全世界から注目されているかが伺えます。

では、一体ChatGPTの何が凄いのかと言うと、今までのAIに比べて言語処理能力が突出している点にあります。Wikipediaやブログ、書籍など大量の文献を読み込んで、広範囲の知識を備えているため、聞けばどんな質問でもある程度答えてくれるのに加え、企画書や小論文、小説、歌詞などの作成をリクエストすると、自動的にそれらしい内容のものを作ってくれます。

従来のカスタマセンターのやり取りなどに使われていたチャットbotや、SiriやAlexsaのような音声サービスのものと比べると、やれる範囲が広がってきたところに違いがあるようです。従来のものでは、少し突っ込んだ内容を聞くと会話になりませんでしたが、ChatGPTでは文章に対して文章で回答してくるので、きちんと会話になります。

例えば、表参道のカフェでデートをしようというシチュエーションを試してみると、下のようにリアルな会話文で回答してくれます。

ChatGPT_図1

また、文脈から前の会話の続きをしていることも自動的に読み取ってくれます。

ChatGPT_図2

ChatGPTのような高機能な会話型AIの開発が進んでいることで、これから「検索」の在り方が変わっていくのではないかと言われています。既にOpenAIに多額の出資をしているMicrosoftでは、検索エンジン「Bing」に何らかの形でChatGPTを搭載することを検討しています。これを受け、Googleは社内にて「Code:red(非常事態)」の宣言を出したと報道されており、Googleも検索エンジンへの会話型AIの統合の選択肢を検討していると思われます。

会話型タイプの「検索」が実現した場合、検索結果を上位に強調して表示する仕組みがなくなるため、従来のSEOやSEMの観念ががらりと変わることになるでしょう。また、Webサイトも会話型AIへの応答に最適化していく必要が生じてきます。もし、ChatGPTがそのまま「検索」に置き換わるとすると、Webサイトに移動する必要なく回答が得られるため、Webサイトへのトラフィックが大幅に減少する可能性も考えられます。MicrosoftやGoogleをはじめとする検索エンジンを提供している企業が、高性能な会話型AIの登場に対して、これからどのように対応していくのか、注意深く動向を把握していく必要があるでしょう。

弊社代表は、日本に「検索連動型広告」を持ち込んだオーバーチュア(現ヤフー)の日本進出に参画していたメンバーです。検索広告のプロの見解に興味がある方は、是非下記の「Contact Us」からお問い合わせください。



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