Our News and Thoughts
本ブログでは、今年1月に『ユーザーエクスペリエンス脳の鍛え方』というテーマで、「UX脳」を鍛えるには、普段から、身の回りにあるウェブやアプリ・サービスが、どのようなエクスペリエンスを提供しているのかについて、ユーザーの視点に立って、考えてみることが良い練習になるというお話をしました。
その際、題材として、羽田空港の国際線ターミナルを取り上げ、これから2020年のオリンピックに向けて、日本を訪れる外国人旅行者へのおもてなしは充分にできているのか、について考えてみました。 (さらに…) Read more
その際、題材として、羽田空港の国際線ターミナルを取り上げ、これから2020年のオリンピックに向けて、日本を訪れる外国人旅行者へのおもてなしは充分にできているのか、について考えてみました。 (さらに…) Read more
いよいよゴールデンウィークが始まります。今年は最大で10連休というケースもあるようですが、みなさんも旅行の計画などを立てているのでしょうか?
本ブログでは、定期的に、ブログやTwitterなどのクチコミデータから、人々の心情や世情を読み取るという試みをご紹介していますが、今回は、メディアなどでも時々話題になる、今年のゴールデンウィークの人気の旅行先について分析してみたいと思います。
分析には、ホットリンク社のソーシャル・ビッグデータ分析ツール『クチコミ@係長』のデータを使用しています。
まず、昨年に比べて、海外旅行と国内旅行、どちらの人気が高いのかを見てみましょう。
下図は、「ゴールデンウィーク」という言葉と一緒に「国内旅行」もしくは「海外旅行」という言葉が書かれたブログ記事のシェアが、昨年と今年(いずれも1月~3月)でどう変化したかを示したものです。
「ゴールデンウィーク」に関するブログへの書き込みの総数は、昨年と今年で大きな変化はありませんでしたが、これを見ると、昨年に比べて、海外旅行について書き込んだ人の割合が増えていることが分かります。
これは、前述の通り、今年は、場合によっては10連休まで取得できる暦であることから、海外旅行を検討する人が増えたため、と考えられます。
また、昨年の同時期に比べると円高傾向にあり、さらに原油安も重なり、航空運賃に追加されるサーチャージの負担も無くなっていることなども、海外旅行を計画する追い風となっているようです。
では、海外旅行の渡航先としては、どの国・地域が人気なのかを見てみましょう。
こちらもブログへの書き込みから、海外旅行の主要な渡航先について、「ゴールデンウィーク」という言葉と一緒に書き込まれた割合を、前年と比較したものです。
まず全体傾向としては、台湾・ベトナムといったアジア圏と、カナダ・アメリカなどの北米圏の増加が目立ちます。
これは、長期の連休が取れる人がある一方で、5/2や5/6は休めないという場合、休みが前半と後半に分かれてしまう人もあり、それによって、海外旅行先の選択も、遠方と近場に分かれるため、と考えられます。
また、同じアジア圏でも、インドネシア・フィリピン・タイなどは、昨年に比べてシェアが大きく下がっていますが、これは、テロや政情に対する不安の大きい国への渡航を敬遠する人が多いため、と考えられます。
ヨーロッパ諸国のシェアが減少傾向にあるのも同様の理由によるものと考えられる一方、カナダのシェアが伸びているのは、比較的安全というイメージがあることに加え、近年、日本とカナダを結ぶ航空便の就航が増え、座席供給量が 伸びていることも、一因となっているようです。
みなさんも、どうぞ、楽しく、そして安全に、ゴールデンウィークをお過ごし下さい。
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本ブログでは、定期的に、ブログやTwitterなどのクチコミデータから、人々の心情や世情を読み取るという試みをご紹介していますが、今回は、メディアなどでも時々話題になる、今年のゴールデンウィークの人気の旅行先について分析してみたいと思います。
分析には、ホットリンク社のソーシャル・ビッグデータ分析ツール『クチコミ@係長』のデータを使用しています。
まず、昨年に比べて、海外旅行と国内旅行、どちらの人気が高いのかを見てみましょう。
下図は、「ゴールデンウィーク」という言葉と一緒に「国内旅行」もしくは「海外旅行」という言葉が書かれたブログ記事のシェアが、昨年と今年(いずれも1月~3月)でどう変化したかを示したものです。
<GW旅行: 国内 vs.海外>
「ゴールデンウィーク」に関するブログへの書き込みの総数は、昨年と今年で大きな変化はありませんでしたが、これを見ると、昨年に比べて、海外旅行について書き込んだ人の割合が増えていることが分かります。
これは、前述の通り、今年は、場合によっては10連休まで取得できる暦であることから、海外旅行を検討する人が増えたため、と考えられます。
また、昨年の同時期に比べると円高傾向にあり、さらに原油安も重なり、航空運賃に追加されるサーチャージの負担も無くなっていることなども、海外旅行を計画する追い風となっているようです。
では、海外旅行の渡航先としては、どの国・地域が人気なのかを見てみましょう。
こちらもブログへの書き込みから、海外旅行の主要な渡航先について、「ゴールデンウィーク」という言葉と一緒に書き込まれた割合を、前年と比較したものです。
<GW 海外旅行の渡航先に関するブログ書込シェア>
まず全体傾向としては、台湾・ベトナムといったアジア圏と、カナダ・アメリカなどの北米圏の増加が目立ちます。
これは、長期の連休が取れる人がある一方で、5/2や5/6は休めないという場合、休みが前半と後半に分かれてしまう人もあり、それによって、海外旅行先の選択も、遠方と近場に分かれるため、と考えられます。
また、同じアジア圏でも、インドネシア・フィリピン・タイなどは、昨年に比べてシェアが大きく下がっていますが、これは、テロや政情に対する不安の大きい国への渡航を敬遠する人が多いため、と考えられます。
ヨーロッパ諸国のシェアが減少傾向にあるのも同様の理由によるものと考えられる一方、カナダのシェアが伸びているのは、比較的安全というイメージがあることに加え、近年、日本とカナダを結ぶ航空便の就航が増え、座席供給量が 伸びていることも、一因となっているようです。
みなさんも、どうぞ、楽しく、そして安全に、ゴールデンウィークをお過ごし下さい。
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UXランキング(航空会社編)に引き続き、今回は、同時に実施したメガネ会社のUXランキングについても解説していきます。航空会社同様、サイトの使い勝手を判断する上で5つの評価基準を設け、メガネ業界各社のサイトにおけるUXを評価・ランキングしました。
昨年時点でのランキングとはなりますが、上位の企業と下位になってしまった企業のUX/UIを比較してみましょう
まず上位となった「JINS」のサイトから見ていきましょう。
サイトカラーである赤を中心に統一感を持たせながら、トップページには商品を目立たせるレイアウト。非常にクリーンな印象を与えるサイトデザインです。
また、ヘッダーとフッターに『送料無料・返品OK』とあることで、ユーザーにオンラインショッピングを安心して楽しんでもらおうとする工夫が見られます。
加えて、オンライン購入ガイドのページでは、アイコンや動画を使用し、丁寧にわかりやすく説明しています。”メガネをオンラインショップで買う”という、ひと昔前では考えられなかった行動に対する不安を、どうにかして取り除こうとする企業努力が随所に見られるのも、ランキング上位となった一因です。
欠点としてはショッピングカート内の文字が小さく見づらいこと。内容に関しては丁寧に説明されているのですが、「読もう」とする気が起きないテキストレイアウトとなっています。トップメニューはわかりやすいため、Look&feelで合わせることで、ますますのUX改善につながるでしょう。
次にランキングで下位となってしまった「パリミキ・メガネ」についてです。
まず、オンラインでの購入ができないので、ウェブサイト内で商品選択から購入までの動作を完結できないもどかしさがあります。メガネの試着予約サービスを設けていることから、店舗購入が前提にあるようです。
UI的な観点から見ると、トップページにあるサイドメニューの情報量、さらにバナーの文字数も多く、サイトのフォーカスポイントが見当たりません。
また、トップページには店舗検索などのサイドメニューが左側にあるのですが、なぜか他のページに行くとサイドメニューが右側に移動してしまいます。ナビゲーションに一貫性がなく、ユーザーが混乱してしまう恐れがあります。
<他ページ>
「パリミキ・メガネ」ではメガネの他、コンタクトレンズ、補聴器やコスメなど多くの商品やサービスを取り扱っています。そのため、必然的に各ページの階層が深くなってしまいます。そこで、表示しているページまでの経路情報をフッターの上部に設置する、ブレッドクラムナビゲーションのような、ユーザーを迷子にしない工夫が必要です。
ところで、同社「酸素メガネ」という商品について、特設サイトを開設して商品情報などを提供しています。
独自の技術により、フレームの周辺に酸素や水蒸気を集めることで、目の潤いを保てるという商品なのですが、サイトにエンベッドされたYouTube動画をみても、何一つ、この技術の仕組みや効果は理解・実感することはできません。
また、この特設サイトでは、3Dグラフィックで表示されたメガネをクリック&ドラッグすると、360℃で商品を俯瞰して見られるようにしていますが、利用者の視点に立って考えると、サイトの読み込み速度を犠牲にしてまで、訴求すべきポイントは、そこ(デザイン)ではないことは明らかです。
また、特設サイトの画面上に散らばったメニューは直感的に使うことができず、ユーザビリティとしてもかなり残念な仕上がりとなっています。「購入」を押すと、楽天の商品ページに誘導されますが、果たして、この程度の情報で購入を決断する人がどのくらいいるのでしょうか。
ドイツのインダストリアルデザイナーであるディーター・ラムスが提唱している『良いデザインの十ヶ条』の中の一つに、「良いデザインは可能な限りデザインをしない』という言葉があります。
この二社のサイトは、掲載されている情報量としては大して変わりはありません。ですが、二社のサイトを比較してみると、利用者の視点に立って、情報を、どう分かりやすく整理・デザインして見せるかによって、サイトに訪れた人の印象やエクスペリエンスが大きく変わってしまう、ということがよく分かると思います。
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昨年時点でのランキングとはなりますが、上位の企業と下位になってしまった企業のUX/UIを比較してみましょう
<UXランキング評価基準と配点について>
まず上位となった「JINS」のサイトから見ていきましょう。
サイトカラーである赤を中心に統一感を持たせながら、トップページには商品を目立たせるレイアウト。非常にクリーンな印象を与えるサイトデザインです。
また、ヘッダーとフッターに『送料無料・返品OK』とあることで、ユーザーにオンラインショッピングを安心して楽しんでもらおうとする工夫が見られます。
加えて、オンライン購入ガイドのページでは、アイコンや動画を使用し、丁寧にわかりやすく説明しています。”メガネをオンラインショップで買う”という、ひと昔前では考えられなかった行動に対する不安を、どうにかして取り除こうとする企業努力が随所に見られるのも、ランキング上位となった一因です。
欠点としてはショッピングカート内の文字が小さく見づらいこと。内容に関しては丁寧に説明されているのですが、「読もう」とする気が起きないテキストレイアウトとなっています。トップメニューはわかりやすいため、Look&feelで合わせることで、ますますのUX改善につながるでしょう。
次にランキングで下位となってしまった「パリミキ・メガネ」についてです。
まず、オンラインでの購入ができないので、ウェブサイト内で商品選択から購入までの動作を完結できないもどかしさがあります。メガネの試着予約サービスを設けていることから、店舗購入が前提にあるようです。
UI的な観点から見ると、トップページにあるサイドメニューの情報量、さらにバナーの文字数も多く、サイトのフォーカスポイントが見当たりません。
また、トップページには店舗検索などのサイドメニューが左側にあるのですが、なぜか他のページに行くとサイドメニューが右側に移動してしまいます。ナビゲーションに一貫性がなく、ユーザーが混乱してしまう恐れがあります。
<トップページ>
<他ページ>
「パリミキ・メガネ」ではメガネの他、コンタクトレンズ、補聴器やコスメなど多くの商品やサービスを取り扱っています。そのため、必然的に各ページの階層が深くなってしまいます。そこで、表示しているページまでの経路情報をフッターの上部に設置する、ブレッドクラムナビゲーションのような、ユーザーを迷子にしない工夫が必要です。
ところで、同社「酸素メガネ」という商品について、特設サイトを開設して商品情報などを提供しています。
独自の技術により、フレームの周辺に酸素や水蒸気を集めることで、目の潤いを保てるという商品なのですが、サイトにエンベッドされたYouTube動画をみても、何一つ、この技術の仕組みや効果は理解・実感することはできません。
また、この特設サイトでは、3Dグラフィックで表示されたメガネをクリック&ドラッグすると、360℃で商品を俯瞰して見られるようにしていますが、利用者の視点に立って考えると、サイトの読み込み速度を犠牲にしてまで、訴求すべきポイントは、そこ(デザイン)ではないことは明らかです。
また、特設サイトの画面上に散らばったメニューは直感的に使うことができず、ユーザビリティとしてもかなり残念な仕上がりとなっています。「購入」を押すと、楽天の商品ページに誘導されますが、果たして、この程度の情報で購入を決断する人がどのくらいいるのでしょうか。
ドイツのインダストリアルデザイナーであるディーター・ラムスが提唱している『良いデザインの十ヶ条』の中の一つに、「良いデザインは可能な限りデザインをしない』という言葉があります。
この二社のサイトは、掲載されている情報量としては大して変わりはありません。ですが、二社のサイトを比較してみると、利用者の視点に立って、情報を、どう分かりやすく整理・デザインして見せるかによって、サイトに訪れた人の印象やエクスペリエンスが大きく変わってしまう、ということがよく分かると思います。