2016.04.28 | ビッグデータ
いよいよゴールデンウィークが始まります。今年は最大で10連休というケースもあるようですが、みなさんも旅行の計画などを立てているのでしょうか?

本ブログでは、定期的に、ブログやTwitterなどのクチコミデータから、人々の心情や世情を読み取るという試みをご紹介していますが、今回は、メディアなどでも時々話題になる、今年のゴールデンウィークの人気の旅行先について分析してみたいと思います。
分析には、ホットリンク社のソーシャル・ビッグデータ分析ツール『クチコミ@係長』のデータを使用しています。

まず、昨年に比べて、海外旅行と国内旅行、どちらの人気が高いのかを見てみましょう。

下図は、「ゴールデンウィーク」という言葉と一緒に「国内旅行」もしくは「海外旅行」という言葉が書かれたブログ記事のシェアが、昨年と今年(いずれも1月~3月)でどう変化したかを示したものです。

<GW旅行: 国内 vs.海外>

「ゴールデンウィーク」に関するブログへの書き込みの総数は、昨年と今年で大きな変化はありませんでしたが、これを見ると、昨年に比べて、海外旅行について書き込んだ人の割合が増えていることが分かります。

これは、前述の通り、今年は、場合によっては10連休まで取得できる暦であることから、海外旅行を検討する人が増えたため、と考えられます。

また、昨年の同時期に比べると円高傾向にあり、さらに原油安も重なり、航空運賃に追加されるサーチャージの負担も無くなっていることなども、海外旅行を計画する追い風となっているようです。

では、海外旅行の渡航先としては、どの国・地域が人気なのかを見てみましょう。

こちらもブログへの書き込みから、海外旅行の主要な渡航先について、「ゴールデンウィーク」という言葉と一緒に書き込まれた割合を、前年と比較したものです。

<GW 海外旅行の渡航先に関するブログ書込シェア>

まず全体傾向としては、台湾・ベトナムといったアジア圏と、カナダ・アメリカなどの北米圏の増加が目立ちます。

これは、長期の連休が取れる人がある一方で、5/2や5/6は休めないという場合、休みが前半と後半に分かれてしまう人もあり、それによって、海外旅行先の選択も、遠方と近場に分かれるため、と考えられます。

また、同じアジア圏でも、インドネシア・フィリピン・タイなどは、昨年に比べてシェアが大きく下がっていますが、これは、テロや政情に対する不安の大きい国への渡航を敬遠する人が多いため、と考えられます。

ヨーロッパ諸国のシェアが減少傾向にあるのも同様の理由によるものと考えられる一方、カナダのシェアが伸びているのは、比較的安全というイメージがあることに加え、近年、日本とカナダを結ぶ航空便の就航が増え、座席供給量が 伸びていることも、一因となっているようです。

みなさんも、どうぞ、楽しく、そして安全に、ゴールデンウィークをお過ごし下さい。

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2016.04.07 | UX
UXランキング(航空会社編)の最後に登場するのは、第8位の春秋航空。

まずPCサイトの上部に掲載されているカルーセル(順番に表示されるバナー)ですが、その中の一つが、常にパイロットや客室乗務員の募集案内となっているのが気になります。

もちろん、ウェブサイト上で、採用・募集をすること自体には何の問題も無いのですが、なぜ、トップページ上の「一等地」を使う必要があるのか、どこを向いて作られたサイトなのか、という疑問が残ります。

<春秋航空PCサイトのトップページ>

また、春秋航空のサイトにおいては、様々な情報の見せ方・出し方に「一人よがり」な点が多く、「いったいその情報が何を意味するのか」が分かりづらいという、情報アーキテクチャについての深刻な問題を抱えています。

たとえば、トップページには就航便のリストが、それぞれの最安値とともに表示されていますが、出発地の横には企業ロゴに似たマークが付いています。そこで、ページ下部にある注釈を見ると、

・Spring Japan(IJ)により運航されています
・春秋航空股份有限公司 (9C)により運航されています。

というコメントは確認できるのですが、おそらく、殆どの人は、この違いが何を意味するのか、全くわからないはずです。

<何を意味するのかがわかりづらい春秋航空トップページの表記>

さらにページの下に進むと、コールセンターの電話番号も掲載されていますが、こちらも「Spring Japan」と「春秋航空股份有限公司」という2つのコールセンターが並列で存在する形になっています。

日本の国内線と成田発の国際線は「Spring Japan」のコールセンター、(成田発以外の?)国際線については、「春秋航空股份有限公司」のコールセンターに電話をしろ、と言っているように見えるのですが、よく見ると、日本国内からかけられる電話番号は、両者とも同じです。

もし、対応するコールセンターが別なら、なぜ両者で同じ電話番号を使うのか、あるいは、実際には1つのコールセンターで対応しているのなら、なぜ、2つのコールセンターがあるような表記にしているのか、非常に不可解です。

一方、フライトの検索メニュー自体は、経路にあわせて就航日がわかりやすく表示されるなど、使い勝手が考えられた作りになっています。

<春秋航空サイトでのフライト選択画面>

さらに、行き先や日程の選択が終わると、前後の日付も含めて、最安値の価格が表示・選択できる点も、一見すると、できるだけ安い便を探して乗りたいという、LCC利用者に求められるユーザーエクスペリエンスが考えられているように見えます。

ところが、「スプリングプラス」「一般クラス」「特典クラス」という3つの料金体系について、利用できるサービスがどう違うのかは、見ただけでは分からないので、試しに、一般クラス(24,500円)を選択してみると、むしろ、疑問は更に深まってしまいます。

たしかに「一般クラス」では、「15Kgまでの荷物が預けられて、変更・払戻もできるというプランらしい。」ということは分かります。(ここでは、まだ他のクラスとの違いは分かりませんが。)

<春秋航空サイトの料金選択画面>

ただ、「一般クラス」の情報を見ると、なぜか33,500円と、「スプリングプラス」の最低料金を上回るプランが表示されています。

マウスオーバーすると、24,500円のプランには無い特典も含まれてはいるようですが、1つ上の「スプリングプラス」との関係もよく分かりませんし、「無料体験したいです」にチェックすると、何が、どう無料になるのかもよく分かりません。

LCC利用者の多くは、利用するサービスや日程の選択を変えることで、どこまでコストを下げられるが知りたいと思っているはずですが、春秋航空のサイトで、そうした比較・検討作業を行うことは、かなりの苦痛と困難を伴うことでしょう。

最後に、春秋航空のサイトは、スマホでの利用に全く対応できておらず、これも、今回ランキング調査対象となった航空会社8社の中で、同社が最下位となる致命的な原因となっています。

<スマホでみてもPC用のサイトが表示されてしまう春秋航空>
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2016.03.31 | サーチ
リスティング広告について、ECサイトなどB2C系サービスの受注獲得に使えるのは分かるが、B2B企業でも活用できるのだろうか?
リスティティング広告が日本に上陸して丸13年が経ちましたが、今でも定期的にこういうお問い合わせを頂きますので、今回は、この点について、少しご説明をしてみたいと思います。(永年B2Bマーケティングに携わっておられる方には、極めて基本的な内容かと思いますが、今回は、異動や転職で、新たにB2Bマーケティングに携わることになった方を想定して書いております。) まず結論から申し上げますと、B2B企業でもリスティング広告の活用は可能ですが、多くの場合、リスティング広告だけで事足れり、という訳にはいきません。目標設定や効果測定にあたっては、B2B企業ならではの工夫も必要になります。 一般的に、B2B企業の場合、ウェブを使ったマーケティング活動においては、「問い合わせ」や「資料請求」など、「リード」と呼ばれる案件のタネを獲得することが主な目的となります。従って、ECサイトで商品をカートに入れるのと同じように、「問い合わせ」や「資料請求」などを「目標=コンバージョン」としてリスティング広告を実施することは可能です。 ただ、B2Bの場合、こうして獲得した「リード」を営業担当者がフォローしても、通常、全てが成約に至ることはありません。また、業種・業界によっては、成約する案件の売上規模もさまざまとなりますので、リスティング広告を実施する場合には、 ・ 問い合わせや資料請求などのリード→成約に至る確率はどの程度か? ・ 成約した案件から得られる平均的なリターンはどのくらいか? といったことを踏まえた上で、「問い合わせ」や「資料請求」など、1 件のリードを獲得するためにかけられる費用(=CPA)を設定する必要があります。 場合によっては、ウェブサイト上に、新たなコンバージョンポイント(例えば、ホワイトペーパーなど資料のダウンロードやデモの申込、セミナーへの参加など)を設けるといったことも含めた戦略設計も必要になります。 また、リード→成約に至る確率を高めることができれば、「問い合わせ」や「資料請求」を獲得するために、より多くの費用を充てることができます。つまり、「リードナーチャリング(=リードをフォローして案件の成約に持って行くプロセス)」の巧拙が、リスティング広告の運用戦略にも大きな影響を与えることになります。 このため、ルグランでは、B2B企業のリスティング広告運用の実績も多数ありますが、多くの場合、パートナー企業とも連携しながら、リスティング広告以外の領域も含め、総合的にご支援をさせて頂いています。 ・ ウェブサイトにおけるアクションポイントの設計や目標設定 ・ メールマーケティングやCRM連携などリードナーチャリング ・ サイトコアをはじめとするマーケティングオートメーションツールの実装 ・ ウェブサイトのリニューアル、など もしウェブを活用したB2Bマーケティングについてお悩みの場合には、お気軽にルグランまでご相談下さい。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: B2Bマーケティングに関するご相談はこちらから メール:info@LeGrand.jp 電話:0120-066-898(フリーダイヤル)

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2016.03.31 | UX
UXランキング(航空会社編)の個別ランキング解説。第7位はピーチ・アビエーション。

まずPCサイトを見ると、モニタの大型化・高解像度化が進んだ現在、約960ピクセルという横幅はやや狭く、この結果、画面左側の「ニュース」欄に表示された情報もテキストが小さく、全体がゴチャゴチャして読みにくいという印象を与えています。

<ピーチ・アビエーションTOP ページ>

一方、予約フォームにおいては、出発地の入力フィールドをクリックすると、リストから出発地を選択できるようになっており、その後は、目的地・往路出発日・復路出発日のリスト・カレンダーが順番に表れるので、それに従って選択をしていけば、予約に必要な情報がスムーズに入力できるという快適なエクスペリエンスが提供されています。

<ピーチ・アビエーションの予約フォーム>

ところが、このサイトの最大の問題は、予約条件を入力した後のレスポンスの悪さです。特にPCサイトにおいては、フライトの検索が始まると、かなりスピードが遅くなってしまいます。他のコンテンツはストレスなく表示されるので、これはフライト検索システムの問題なのでしょうか。

2~3秒待たされると、40%~50%が離脱するとも言われる中、このサイトのレスポンスの悪さは、ユーザーエクスペリエンスの観点からはかなりの減点要素となりました。

一方、フライトを選択し、搭乗者情報を入力すると、座席や預入手荷物の有無などの選択に入りますが、自分の選択によって、価格がどう変わるかも一覧で確認できるようになっており、UI面では工夫の跡も感じられます。

<座席や受託手荷物の選択画面>

次にスマホで閲覧してみると、TOPページや予約フォームなど、主要な画面はモバイル対応されているように見えますが、スマホでTOPを見ると、ページの下部に「詳しくはPCサイトをご覧下さい」という記載が!?

<ピーチ・アビエーション スマホTOP>

全てのページ・コンテンツがモバイル対応できていないということを素直に認めているという点では「潔い」と言えるのかもしれません。ですが、スマホサイトで閲覧している人の多くは、全てのタスクを、スマホに最適化された環境の中で、ストレスなく完了させたいと思っているはずです。

たとえば、搭乗便を選び、搭乗者情報を入力した後に表示される画面を見ると、『スポーツ用品は、インターネットからはご購入いただけません。』という記載があるのですが、これも今ひとつ何のことか意味が分からず、『詳しくは弊社HPをご確認下さい。』というリンクを押すと、今度は、PCサイトに戻されてしまいます。

<中途半端なモバイル対応>

予約フォームの入力画面など、ユーザビリティに配慮された設計も随所に見られるだけに、モバイルへの対応やサイトのレスポンスなどが改善できれば、ランキングの大幅な改善も期待できるでしょう。

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2016.03.24 | ビッグデータ
3月26日に迫った北海道新幹線の開業。そこで、今回は、ブログやTwitterなどのクチコミデータから、その話題度や注目度を、1年前に延伸開業した北陸新幹線と比較してみることにしました。


今回も分析には、ホットリンク社のソーシャル・ビッグデータ分析ツール『
クチコミ@係長』のデータを使用しています。(期間はいずれも開業日の6日前~33日前までの4週間を比較)

まず、ブログへの書込数の推移を見ると、下図の通り、開業約4週間前に大きな山があり、一旦沈静化した後、開業1週間前頃から、急速にクチコミ量が増えていくという大きな流れは、北海道新幹線にも北陸新幹線にも、共通して見られる傾向です。

ただ、クチコミの総量を見ると、北陸新幹線が北海道新幹線を大きく上回っており、その差は、約2倍近く開いています。

<ブログ書込数の推移>

開業約4週間前の山は、指定券の予約受付開始に関連したもので、書込の中身を見てみると、いずれも開業日の一番列車の指定席が、受付開始から30秒で完売したといったニュースが注目を集めています。

ただ、北海道新幹線に関しては、開業日でも、午後の列車なら予約はできた、といった書込も散見されました。

その後、北陸新幹線については、開業約2週間前にも大きな山が見られますが、これは、2015年2月27日~28日にかけて、TBSの『世界ふしぎ発見』や、NHKの『金曜eye』(首都圏ローカル)などの番組で、北陸新幹線開業に関する番組が相次いで放映された影響も大きいと考えられます。

一方、Twitter での書込をみると、面白いことに、ブログほど大きな差は開いていません。

<Twitter 書込数の推移>

「平常時」においては、ブログと同様、北陸新幹線のクチコミ量が北海道新幹線を上回る日が目立ちますが、開業20日前の2/22や、11日前の3/3に書込が急激に伸びていることで、期間中のクチコミ総量としては、北陸新幹線に迫る結果となっています。

2/22には、北海道新幹線の終着駅のある北斗市でのゆるキャラ『ずーしーほっ きー』(ホッキ貝のにぎり寿司をイメージしたゆるキャラとのこと)の写真がTwitterに投稿されたところ、そのちょっと不気味な風貌が注目を集め、ネット上でも話題になりました。

また、3/3には、精巧なフィギュア制作で有名な海洋堂とのコラボによる『北海道フィギュアみやげ』シリーズに、北海道新幹線やGLAYのフィギュアなどの新シリーズが追加されたという発表が注目を集めました。

一方、ブログへの書込を地域別に見てみると、北海道新幹線も北陸新幹線も関東からの書込が最も多いという点は同じですが、北海道新幹線については、東北地方からの書込の多さが目立ちます。Twitter についても同様の傾向です。

<地域別のブログ書込数>

北海道新幹線については、その所要時間について、飛行機か新幹線かの選択の分かれ目となる「4時間の壁」を超えられなかったことを北海道新幹線の「弱点」だとする論調も散見されます。

ただ、これはあくまでも東京を起点にした話であり、東北や北関東を起点にした場合、新幹線の開業によって、北海道へのアクセスは大きく改善すると言われています。

東京からの距離・時間が長いことや、函館までの開通であることなど、北陸新幹線に対して、不利な要素もありますが、アクセス改善のメリットが大きい東北地方へのアプローチを強めること、また、話題性のあるキャラクターを上手に使うことなどにより、まだまだ、北海道新幹線への注目を高められる余地はありそうです。

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