日本にやってくる中国人観光客の「爆買い」が話題になって久しいですが、大手広告代理店BBDOで中国市場を担当するArthur Tsang氏・Hans Lopez-Vito氏は、近い将来、中国をはじめとするアジアの消費者は、「爆買い消費」を卒業し、先進国のような「ライフスタイル消費」に関心が移ることは間違い、と言います。
彼らをターゲットと考えるなら、マーケターは、そうした消費者マインドの変化を先読みして、今から動き始めることが必要である、と話します。
爆買いに走る中国人富裕層は、中国語で「土豪」と呼ばれ、「趣味やセンスは最悪だが、高級品を買い漁るスーパーリッチ」というネガティブな意味がこめられているそうです。一方で、中国でも、若者たちの中には、こうした中国人の典型的な旅行スタイルに対して、否定的な見方をする人が増えています。
そうした変化に目をつけ、Visaが展開したのが「The Voice」というキャンペーンです。
これは、中国人観光客が多く訪れる観光地などに、Visaが自転車のレンタルステーションを開設し、ナビ機能の付いた自転車を貸し出すことで、旅行者一人ひとりが、自分の行きたいところを決めて、自由に見て回るという新しい旅行スタイルを提案しています。(もちろん、ナビの中には、Visaの加盟店の案内もある訳ですが。)
さらに、そうして街を見て回る様子を撮影した動画は、ネットにも公開され、それを見ている中国人たちも、新しい旅行のスタイルを疑似体験できるようになっています。
いま、世界で最も消費意欲が旺盛な国を調査すると、トップ10のうち、7つがアジアの国々となっています。
経済成長が著しい、アジアの人たち。今はまだ生活必需品や家電製品・宝飾品などの「爆買い」が目立つかもしれませんが、早晩、彼らも、自分たちの意志や好みで、本当に価値があると感じられるものを選んで買い求めるようになっていきます。それは、アジアに、非常に大きな「ライフスタイル消費」市場が誕生することを意味します。
我々日本のマーケターも、来たるべき「その日」に備えておく必要がありそうですね。 Read more
2015.09.17 | イベント
彼らをターゲットと考えるなら、マーケターは、そうした消費者マインドの変化を先読みして、今から動き始めることが必要である、と話します。
<Spikes Asia 2015に登壇したBBDO Greater ChinaのLopez-Vito氏>
爆買いに走る中国人富裕層は、中国語で「土豪」と呼ばれ、「趣味やセンスは最悪だが、高級品を買い漁るスーパーリッチ」というネガティブな意味がこめられているそうです。一方で、中国でも、若者たちの中には、こうした中国人の典型的な旅行スタイルに対して、否定的な見方をする人が増えています。
そうした変化に目をつけ、Visaが展開したのが「The Voice」というキャンペーンです。
<Visa The Voiceキャンペーン>
これは、中国人観光客が多く訪れる観光地などに、Visaが自転車のレンタルステーションを開設し、ナビ機能の付いた自転車を貸し出すことで、旅行者一人ひとりが、自分の行きたいところを決めて、自由に見て回るという新しい旅行スタイルを提案しています。(もちろん、ナビの中には、Visaの加盟店の案内もある訳ですが。)
さらに、そうして街を見て回る様子を撮影した動画は、ネットにも公開され、それを見ている中国人たちも、新しい旅行のスタイルを疑似体験できるようになっています。
いま、世界で最も消費意欲が旺盛な国を調査すると、トップ10のうち、7つがアジアの国々となっています。
<Consumer Confidence>
経済成長が著しい、アジアの人たち。今はまだ生活必需品や家電製品・宝飾品などの「爆買い」が目立つかもしれませんが、早晩、彼らも、自分たちの意志や好みで、本当に価値があると感じられるものを選んで買い求めるようになっていきます。それは、アジアに、非常に大きな「ライフスタイル消費」市場が誕生することを意味します。
我々日本のマーケターも、来たるべき「その日」に備えておく必要がありそうですね。 Read more
Spikes Asiaでは、特に「基調講演」と題されるようなセッションはありませんでしたが、振り返ってみると、第1日の冒頭に行われたこのセッションは、ある意味で、今回のSpikes Asiaで行われた多くのセッションに共通する1つの大きなテーマを扱っていたように感じられたので、その内容をご紹介したいと思います。
セッションの原題は”CreateContents that Matters”となっており、日本語に訳すと、『(多くの人々に)意味がある、あるいは大切だと感じてもらえるような、心に響くコンテンツを作るには』というような意味になるかと思います。
面白かったのは、登壇したのが、広告業界の関係者ではなく、All India Bakchod(AIB)というインドのお笑いグループに所属するコメディアンだったということ。
彼らのグループは、現在、YouTube上で人気を博していますが、そもそも、インドでは、コメディを披露できるバーやクラブなどがあまり無く、また、お笑いネタの定番である「政府や政治家への不満や風刺」をテレビで流すと、政府が口をはさんでくるという事情もあり、ネットを活動の場にせざるをえないという事情があったそうです。
そして彼らのコメディに注目を集めるきっかけとなったのが、2013年に公開された”It’sYourFault”という動画。
インドでは、女性に対する権利・人権の侵害がしばしば問題になりますが、この動画も、レイプ被害にあった女性が、世間から「レイプされるのは被害に遭った女性の側に責任がある」という目でみられてしまう風潮に対し、痛烈な批判を、コメディタッチで世界に訴えかけて、注目を浴びました。
今日、ネット上では、膨大な量の情報やコンテンツが産まれ続ける中、どうすれば人々の注意や関心を惹くことができるのかは、多くのマーケターの重要な関心事となっています。実際、今回のSpikes Asiaでも多くのセッションで、このテーマが取り上げられていました。
そして、このセッションから得られた一つの示唆は、社会的な問題を提起したり、更には、その解決に資するアクションを取ったりすることで、そうしたメッセージは、多くの人々にも「自分事」として受けて止めてもらえる可能性が高い、ということでしょう。
実際、今回のSpikes Asiaでも、盲目の少年に最新の技術を使ってピアノを弾くという体験を提供した”EyePlay thePiano”(日本)や、自閉症の子供達に他人と視線を合わせる練習をさせる”Lookat Me”(韓国)など、いわゆるSocialGoodと呼ばれる取組みが注目されていました。
では、SocialGoodであることは、単なる慈善活動なのか、それとも、最終的には企業の利益に資することなのか?
これについては、別のセッションで取り上げられていましたので、また改めてレポートしたいと思います。 Read more
2015.09.10 | イベント
2015.05.20 | イベント
セッションの原題は”CreateContents that Matters”となっており、日本語に訳すと、『(多くの人々に)意味がある、あるいは大切だと感じてもらえるような、心に響くコンテンツを作るには』というような意味になるかと思います。
<CreateContents that Matters>
面白かったのは、登壇したのが、広告業界の関係者ではなく、All India Bakchod(AIB)というインドのお笑いグループに所属するコメディアンだったということ。
<登壇したAIBのKhamba氏>
彼らのグループは、現在、YouTube上で人気を博していますが、そもそも、インドでは、コメディを披露できるバーやクラブなどがあまり無く、また、お笑いネタの定番である「政府や政治家への不満や風刺」をテレビで流すと、政府が口をはさんでくるという事情もあり、ネットを活動の場にせざるをえないという事情があったそうです。
そして彼らのコメディに注目を集めるきっかけとなったのが、2013年に公開された”It’sYourFault”という動画。
<It’sYourFault>
インドでは、女性に対する権利・人権の侵害がしばしば問題になりますが、この動画も、レイプ被害にあった女性が、世間から「レイプされるのは被害に遭った女性の側に責任がある」という目でみられてしまう風潮に対し、痛烈な批判を、コメディタッチで世界に訴えかけて、注目を浴びました。
今日、ネット上では、膨大な量の情報やコンテンツが産まれ続ける中、どうすれば人々の注意や関心を惹くことができるのかは、多くのマーケターの重要な関心事となっています。実際、今回のSpikes Asiaでも多くのセッションで、このテーマが取り上げられていました。
そして、このセッションから得られた一つの示唆は、社会的な問題を提起したり、更には、その解決に資するアクションを取ったりすることで、そうしたメッセージは、多くの人々にも「自分事」として受けて止めてもらえる可能性が高い、ということでしょう。
実際、今回のSpikes Asiaでも、盲目の少年に最新の技術を使ってピアノを弾くという体験を提供した”EyePlay thePiano”(日本)や、自閉症の子供達に他人と視線を合わせる練習をさせる”Lookat Me”(韓国)など、いわゆるSocialGoodと呼ばれる取組みが注目されていました。
では、SocialGoodであることは、単なる慈善活動なのか、それとも、最終的には企業の利益に資することなのか?
これについては、別のセッションで取り上げられていましたので、また改めてレポートしたいと思います。 Read more
ルグランでは、マーケティングやテクノロジーに関する情報収集や、海外企業との情報交換・ネットワーキングを目的に、毎年、いくつかの海外カンファレンスに参加をしています。今週は、シンガポールで開催されているSpikes Asia 2015に来ていますので、本ブログでは、これから何回かに分けて、カンファレンスの様子をレポートしていきます。
Spikes Asiaの運営母体は、毎年6月に開催されているカンヌライオンズと同じで、いわばアジア版カンヌライオンズともいえる「広告祭(正確には”Festival of Creativity”)」です。28年の歴史があり、今年は18部門に4,351点の応募がありました。
会場はシンガポールのマリーナ地区にあるSuntecコンベンションセンターの中にありますが、セミナー会場・最終選考に残った作品の展示・出展社ブースなどが1つのフロアにまとまったコンパクトなレイアウトで、楽に見て回ることができます。
会場内には、3ヶ所のセミナー会場があり、3日間の会期中、約70名のスピーカーにより、様々なセッションが行われています。テーマは、クリエイティブなチームを作るためのヒントといった話から、データを活用した顧客理解といった話まで多岐に渡っていますが、1日目を終えたところでは、コミュニケーション戦略の立案や、効果の検証においてデータやテクノロジーをどう活用するのか、という話が多かった感じがしました。
最終選考作品の受賞結果については、最終日となる金曜日に発表されますが、PRやメディアなどいくつかの部門については、最終選考に残った作品をパネル展示で見ることができます。
こちらは今年のカンヌライオンズでもメディア部門でシルバーを受賞した韓国・バーガーキングのキャンペーンに関するパネルです。展示されているパネルには、企画が生まれた背景や、キャンペーンの内容、その成果や結果などがまとめられています。
パネルを見ると、これは、韓国のバーガーキングが、長時間の電車通勤でお疲れのサラリーマンに、寝過す心配をせずにゆっくりと居眠りができるよう「私は○○駅で降りるので着いたら起こして下さい。」と書かれたアイマスクを配る、というキャンペーンであったことが分かります。ちなみに、アイマスクには、コーヒーと引換えられるクーポンも付いていて、起こしてくれた人にお礼として渡せるようになっていたそうです。
この結果、バーガーキングは、朝の時間帯の売上が18.7%伸びたほか、バーガーキングのブランドに関するソーシャルメディア上での書き込みも44.5%増えたといった成果があったと書かれています。
果たして、このキャンペーンは、カンヌに続いて、このSpikes Asiaでも受賞作に選ばれるのか、金曜日の発表を楽しみに待ちたいと思います。 Read more
Spikes Asiaの運営母体は、毎年6月に開催されているカンヌライオンズと同じで、いわばアジア版カンヌライオンズともいえる「広告祭(正確には”Festival of Creativity”)」です。28年の歴史があり、今年は18部門に4,351点の応募がありました。
会場はシンガポールのマリーナ地区にあるSuntecコンベンションセンターの中にありますが、セミナー会場・最終選考に残った作品の展示・出展社ブースなどが1つのフロアにまとまったコンパクトなレイアウトで、楽に見て回ることができます。
会場内には、3ヶ所のセミナー会場があり、3日間の会期中、約70名のスピーカーにより、様々なセッションが行われています。テーマは、クリエイティブなチームを作るためのヒントといった話から、データを活用した顧客理解といった話まで多岐に渡っていますが、1日目を終えたところでは、コミュニケーション戦略の立案や、効果の検証においてデータやテクノロジーをどう活用するのか、という話が多かった感じがしました。
最終選考作品の受賞結果については、最終日となる金曜日に発表されますが、PRやメディアなどいくつかの部門については、最終選考に残った作品をパネル展示で見ることができます。
こちらは今年のカンヌライオンズでもメディア部門でシルバーを受賞した韓国・バーガーキングのキャンペーンに関するパネルです。展示されているパネルには、企画が生まれた背景や、キャンペーンの内容、その成果や結果などがまとめられています。
パネルを見ると、これは、韓国のバーガーキングが、長時間の電車通勤でお疲れのサラリーマンに、寝過す心配をせずにゆっくりと居眠りができるよう「私は○○駅で降りるので着いたら起こして下さい。」と書かれたアイマスクを配る、というキャンペーンであったことが分かります。ちなみに、アイマスクには、コーヒーと引換えられるクーポンも付いていて、起こしてくれた人にお礼として渡せるようになっていたそうです。
この結果、バーガーキングは、朝の時間帯の売上が18.7%伸びたほか、バーガーキングのブランドに関するソーシャルメディア上での書き込みも44.5%増えたといった成果があったと書かれています。
果たして、このキャンペーンは、カンヌに続いて、このSpikes Asiaでも受賞作に選ばれるのか、金曜日の発表を楽しみに待ちたいと思います。 Read more
爽やかに晴れ渡った5/20(水)の早朝、第40回ルグラン朝会を開催しました。
今回のルグラン朝会では、40回目にして初めて、ゲストをお招きしてプチセミナー形式でお届けしました。
ゲストにお迎えしたのは、国内最大規模の売上シェアを誇る国産DSP「MicroAd BLADE」を提供する株式会社マイクロアドの宮本氏と吉田氏。業界最前線で活躍されている宮本氏から、DSP最新事情をはじめダイナミックリターゲティング広告の仕組みや成功事例、さらには、参加者限定の情報までご紹介いただきました。
中でも、ダイナミックリターゲティングのお話では、昨今のディスプレイ広告の中でも注目されている広告手法であることから、静止画像とダイナミックとの実績比較には、参加者の方々からも高い関心を集め、次々と質問があがりました。
また、地域ターゲティングを活用したDSP配信やプライベートDMPとの連携などについてもお話がありましたが、こうした新たなターゲティングテクノロジーの可能性についても、ますます目が離せなくなりそうです。
参加者の方々は、広告主、代理店、制作会社等、業種も様々でしたが、具体的に話を聞いて質問する機会がなかったので非常に勉強になった、との声をいただき、皆さまそれぞれの立場・視点で興味深くお話を聞かれていました。
今後もルグラン朝会では、各方面で活躍されるゲストをお招きし、最新情報をお届けするという企画も行って参りますので、ぜひご参加ください。
また、朝会で取上げてほしいテーマやトピックがありましたら、お気軽にお知らせください。
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【お問い合わせ・連絡先】
info@legrand.jp Read more
今回のルグラン朝会では、40回目にして初めて、ゲストをお招きしてプチセミナー形式でお届けしました。
ゲストにお迎えしたのは、国内最大規模の売上シェアを誇る国産DSP「MicroAd BLADE」を提供する株式会社マイクロアドの宮本氏と吉田氏。業界最前線で活躍されている宮本氏から、DSP最新事情をはじめダイナミックリターゲティング広告の仕組みや成功事例、さらには、参加者限定の情報までご紹介いただきました。
中でも、ダイナミックリターゲティングのお話では、昨今のディスプレイ広告の中でも注目されている広告手法であることから、静止画像とダイナミックとの実績比較には、参加者の方々からも高い関心を集め、次々と質問があがりました。
また、地域ターゲティングを活用したDSP配信やプライベートDMPとの連携などについてもお話がありましたが、こうした新たなターゲティングテクノロジーの可能性についても、ますます目が離せなくなりそうです。
参加者の方々は、広告主、代理店、制作会社等、業種も様々でしたが、具体的に話を聞いて質問する機会がなかったので非常に勉強になった、との声をいただき、皆さまそれぞれの立場・視点で興味深くお話を聞かれていました。
今後もルグラン朝会では、各方面で活躍されるゲストをお招きし、最新情報をお届けするという企画も行って参りますので、ぜひご参加ください。
また、朝会で取上げてほしいテーマやトピックがありましたら、お気軽にお知らせください。
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