2021.06.11 | コラム

本ブログでも何度かご紹介をしていますが、弊社では店舗や施設内のCO2濃度を測定するIoTセンサーを使い、適切なタイミングで換気ができるようにすると共に、換気の状況をウェブ上で可視化することで、安心・安全な店舗・施設であることをアピールできるseeOnowというサービスを提供しています。

ご存知の通り、私達の呼気にはCO2が含まれているので、密閉された空間に人がたくさん集まると、その空間のCO2濃度はどんどん上昇します。CO2濃度が1,000ppmを超えると、眠気や頭痛を感じる人も出始めると言われており、厚生労働省の『建築物環境衛生管理基準』では室内のCO2濃度を1,000ppm以下に保つよう定められています。

この基準自体は、感染症対策に直接関係するものではありません。しかし、CO2濃度が高い空間=換気が充分に出来ていない空間といえますので、もし、そうした空間に感染者がいた場合、その人から放出されるウィルスが空気中に長時間浮遊することで、いわゆる「空気感染」のリスクを高めることにもなるので、「換気」はマスクや手指の消毒と並んで、重要な感染症対策の1つとされています。

とはいえ、ウィルスを目で見ることはできないので、「呼気に含まれるCO2」をウィルスの代わりに見立てることで、施設や店舗の中にいる人が増えても、CO2濃度が高くなり過ぎないよう、適切なタイミングで換気を行うことが推奨されている、というわけです。

ところで、全ての扉や窓を開け放して、思い切り換気をしても、室内のCO2濃度が0になることはありません。

地球上の空気の成分は、窒素(78%)、酸素(21%)、アルゴン(1%)とされていますが、わずかながら、CO2も含まれており、現在、自然界のCO2濃度は400ppmと言われています。ちなみにseeO2nowのセンサーも、月に1度を目安に、外気に触れるところに数分間出して頂くことを推奨しており、もし、その時のCO2濃度が400ppmを超える値を示している場合には、センサーの誤差を自動的に修正する機能が備えられています。

つまり、感染症対策の観点からは、室内のCO2濃度が400ppmに近いほど安心と言える訳ですが、一方、地球環境の観点からは、この400ppmという濃度は危険水域と考えられています。どうしてでしょうか?

その答えは、「地球温暖化」にあります。

2016年10月、世界気象機関は、地球温暖化の原因と言われる「温室効果ガス」は、2015年に観測史上最も高くなり、世界のCO2濃度(年平均)がはじめて400ppmを超えたと警鐘を鳴らしました。

また、南極のCO2濃度を測定している国立極地研究所も、2016年5月に南極昭和基地のCO2濃度がはじめて400ppmを超えたと発表しています。

<南極昭和基地のCO2濃度>

CO2濃度は、「ウィルス」や「温室効果ガス」など、目に見えないものが可視化するために活用され、それによって、私達は、換気を行い感染症のリスクを軽減したり、地球温暖化を防ぐことの重要性を理解できたりするようになる訳です。

今年もマスクが手放せない夏を迎えそうですが、コロナも地球温暖化も克服して、快適に過ごせる日を早く取り戻したいものですね



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