2016.11.24 | UX

2016年5月に日本語版も発売された『UX戦略-ユーザー体験から考えるプロダクト作り』。

今年の8月にアメリカ・サンフランシスコで開催されたUX Week 2016では、この著者であるJaime Levy氏の話を聞く機会がありました。そこで、今回は、彼女の講演内容を紹介したいと思います。

<UX Week 2016に登壇したJaime Levy氏> 1124-1

UX戦略って、一体何なのよ!?』(What the hell is UX strategy!?)

と題された講演の冒頭で、Levy氏は『UX戦略とはUXデザインとビジネス戦略が重なり合うところに生まれるものである』と前置きした上で、UX戦略を考える上で重要な4つのポイントについて話をしました。

<UX戦略を考えるための4つのポイント>1124-2

1.ビジネス戦略

言うまでもなく、まずは土台となるビジネス戦略がしっかりしていなければ、いくら秀逸なUXをデザイン・提供できても、あまり意味はありません。

たとえば、今日、特にネット上には、GoogleやFacebookなど無料で利用できるサービスがたくさんあります。相手がタダで商品やサービスを提供しているのに、こちらが、いくら価格を下げたところで、それが自分たちの競争力を高めるための有効な戦略にはならないでしょう。

2.提供価値

付加価値の高い商品やサービスを提供することが大切なのは言うまでもありません。しかし、どうすれば、そのような商品やサービスを開発・提供することができるのでしょうか?

商品やサービスの開発というと、つい『自分達なら何ができるのか?あるいは何が作れるのか?』という提供者の視点で考えがちです。しかし、本当に大切なことは、『どうすれば(自分達の商品やサービスを通じて)人々の問題を解決することができるのか?』という利用者の視点なのです。

『提供者の視点』ではなく『利用者の視点』で商品やサービスのデザインを考えることが求められる時、私たちルグランでは、クライアント企業の方々と一緒にUXワークショップを開催します。

このワークショップでは、徹底して利用者の視点に立ち、商品やサービスの利用にまつわる一連の利用体験を再現した『エクスペリエンスマップ』を作成することで、どこに問題解決の糸口があるのかを探り、そこから商品やサービスのアイディアや、提供・開発要件の洗い出しにつなげていきます。(ご興味のある方は、ぜひ、一度、ご相談下さい。)

<エクスペリエンスマップの作成例>1124-3

 3.ユーザー調査

ユーザーの視点に立つためには、当たり前ですが、ユーザーを正しく理解することが不可欠です。

そもそも、代表的なユーザーとはどういう人達なのか(いわゆる『ペルソナ』)、その人達は、どういう形や頻度で商品・サービスを利用しているのか、更には、商品・サービスを利用する、あるいは利用しない理由は何なのか、といったことは、きちんとしたユーザー調査をしなければ絶対に分かりません。

ルグランがUX戦略のコンサルティングやアドバイスをさせて頂く際も、多くの場合、まずは、こうしたユーザー調査からプロジェクトはスタートします。

4.秀逸なUXデザイン

きちんとしたビジネス戦略があり、正しいユーザー理解のもと、ユーザーの視点で、問題解決のために必要なアイディアが出揃ったところで、いよいよ、そのアイディアを具現化するための方法を考えていくことになります。

ここで求められるのが、秀逸なUXデザインです。

本当に求められる場面で、求められる機能や情報が提供できているか?直感的にわかりやすく使える設計やデザインになっているか?楽しい、あるいは快適な利用体験を提供できているか?などなど、考えるべき要素は多岐に渡ります。

消費者が、いつでもどこでも、簡単に、しかも無料あるいは安価に、様々な商品やサービス・情報を手に入れることができる今日、利用や購入の決定に係る主導権は、完全に消費者が握っています。だからこそ、自らの商品やサービスを差別化し、消費者に選ばれ、そして使い続けてもらうためには、UXデザインの果たす役割が極めて重要になります。

みなさんも、ルグランと共に、『競争戦略としてのUXデザイン』を創り上げていきませんか?



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