UXデザイナーって、どんな仕事をする人なのでしょうか? と尋ねると、デザイナーというからには、何かをデザインする人なんでしょ?あぁ、ユーザーエクスペリエンスを考えながら、ウェブサイトをデザインする人?そうそう、ウェブデザイナーだったあの人、最近、名刺にはUXデザイナーって書いているよね。。。
こんな答えも返ってきそうですが、どれもちょっと違う気がします。
なかなか日本語には訳しづらいのですが、弊社LAデザインセンターのメンバーをはじめ、海外のUXデザイナーと話していると、よく出てくる言葉は、”Empower”とか”Embed”という言葉です。
Empower = 力を与える
Embed = 埋め込む
どちらも、一見、UXとは関係の無さそうな言葉ですが、UXデザイナーの仕事とは、商品やサービスの企画や開発あるいは提供に携わる人たちに、利用者や顧客の視点で考える力を与えること(”Empower”)、そして、そうした考え方を、企業や組織の文化として根付かせること(”Embed”)を意味しています。
弊社では、色々な企業の方々と、商品やサービス、ウェブサイトやモバイルアプリの開発やデザインについて考える時、”Experience Map”というフレームワークを使って、利用者や顧客の行動・思考・感情を追体験し、最良のUXを提供できるチャンスがどこにあるのかを考えるワークショップを開催しています。
毎回、参加者の方々には、UXワークショップの目的は、普段、使わない心と頭の筋肉を鍛えるための方法を体得してもらうことである、というお話をしています。
たとえて言うなら、スポーツジムで、パーソナルトレーナーについて、筋力アップやストレッチの方法を教えてもらうのに似ているかもしれません。
週に1〜2度、30分くらいパーソナルトレーナーと一緒に運動をするくらいで、筋力アップは期待できません。ですが、そこで教わった方法に従って(”Empower”)、日々、トレーニングを重ねる習慣が身につけば(”Embed”)、毎回、トレーナーに教わらなくても、着実に筋力をアップすることができるようになります。
みなさんの周りには、頼りになるUXのトレーナーはいますか?