2017.02.16 | UX

これまでネットで買うなんて考えもしなかった、身の回りの小さなものまで、ちょっとした合間にスマホで購入できるようになった今、Eコマース市場は世界的に伸び続けています。一方で、ネットで色々な物を購入する体験を通じて、これだけは、絶対ネットでは買わないと決めたものがあります。それは、ファッション関連アイテムです。
その理由としては、気に入ったアイテムをネットで見つけ、ドキドキしながら購入したとしても、茶色い段ボールに入って届いた瞬間に、商品に対する気持ちが冷めてしまうことに気がついたからです。好きなショップで、販売員の人とファッション談義をし、きれいにラッピングしてもらうという購入までのリアルの体験が私には価値があり、楽しいのです。

アメリカで成長し続けるサービス「The RealReal」とは?

ファッションアイテムをネットでは買わないと決めたとはいえ、最新の情報収集はやはりネット。特に、海外の美しいファッションサイトは目の保養になります。先日もLAのデザイナーと、彼女が今はまっているサイト「The RealReal」について話しが盛り上がりました。「The RealReal」は、個人から委託されたラグジュアリーブランドをネットで販売するサービスです。(日本では2013年からサービスを開始したものの、2015年9月に撤退)アメリカでは、キム・カーダシアンなど有名セレブも出店していることもあり、引き続き注目のサイトになっているようです。

この人気サイトは、プロの私達から見るとUXは今一つ。例えば、アイテムは日々増えていくにも関わらず、お気に入りのデザイナーを保存したり、最新のアイテムをメールで連絡してくれるみたいな、世の中に普通にある機能がありません。一方で、少し目を離した隙に、お気に入りがSold Outになっていくので、今ひとつのUXを超えたニーズがあると言えるのでしょう。

進化する決済システムが買いたいキモチにさせる?

LAのデザイナーによると「The RealRealが提供する決済システムのUXが究極のストライク。ローンでどんどん買ってしまいそうで危険」らしい。早速、ショッピング体験をしてみました。どうやら、The RealRealの成長の理由の一つに、「Affirm」という会社が提供する決済システムにあるようです。

サンフランシスコに本社を置くAffirmは、PayPalの創業者が2013年にスタートした消費者向けの貸し付けをビジネスとしている会社です。通常の決済システムと比べ、手数料をより分かりやすく、また、カードが作れない人でも、リボ払いが出来たり、といった特徴があるようです。

そして、このサービスのThe RealReal上での見え方が、なんとも人を買いたいキモチにさせるのです。例えば、このバッグ、画像を見る限りコンディションに問題はなさそうです。プロモーションコードを入力すると表示プライスから20%オフになり、Affirmの決済システムを使えば、月々$100ぐらいの支払いで購入可能。

Affirmのサイトには、「Buy what you love at a cost you understand」という、キャッチが記載され、支払い回数も分かりやすく表示され、購入に向けて背中を押されるようなUXになっています。

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The RealRealの商品ページ。“Payment as low as $106 per month”という文言で買いやすさをアピール。

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Affirmのサイト。サービスの概要を分かりやすく説明。20%の年率も$33.52と表示されると、悪くない気が。。。

 態度変容の鍵は決済システム?

The RealRealで取引されているラグジュアリーブランドは中古と言えども高額。定価では買えないブランドアイテムが購入でき、さらに、ハリウッドスターが出品しているとなると、何としても手に入れたいという気持ちになる気がします。そんな時に、さりげなく支払い方法のオプションを表示されるAffirmの仕組みは、The RealRealユーザーにとっては有り難いと思えるサービスなのでしょう。

ネットでファッションアイテムは買わないと決めた私ですが、”レアなアイテム” “キャンペーン” “シンプルな分割払い” のコンビネーションを見せつけられ、決済システムが人の気持ちを変える役割を担うと実感しました。

以前、このブログでご紹介したアメリカの配車アプリサービス、Lyft。支払いが割り勘にできたりなど、支払う側の気持ちを考えた機能を随時追加しています。

先日、オンラインでチケット販売をしている企業の方から聞いた話では、コンサート・舞台などのチケットは数名分を1人の代表者がまとめて購入するケースが多く、また、調査の結果、購入役を引き受けた代表者は立て替えた分を請求できないで終わるケースが多いとのこと。私は代表者として、チケットを買う役割になることが多いのですが、確かに、請求できないことが多いです。(楽しく時間を過ごした流れで、気持ちが寛容になるのでしょうか。笑)そんな時、相手側に請求しやすい機能があれば、もしかしたら、チケット購入の頻度や購入額が増えるかもしれません。

ビジネスを成長させるためには、優れたUX、決済システムの進化の両方が必要となってくるでしょう。



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