2017.09.26 | UX

出張や旅行で海外に行った時、最初に気になるのが、空港から滞在先・宿泊先への交通手段です。
海外でも、主要空港の多くでは、空港と都市部を結ぶ電車が走っていますが、言葉や通貨も異なる初めての空港で、切符の買い方もよく分からず、戸惑ったという経験をされた方も多いのではないでしょうか?

先日訪れたロンドンのヒースロー空港からは、ロンドン市内のパディントン駅までを約15分で結ぶヒースローエクスプレスという電車が走っています。

<ヒースローエクスプレスの駅>

この電車のチケットは、もちろん、駅の券売機などでも買うこともできますが、ウェブサイトやスマートフォンのアプリからも購入することができるので、飛行機が着陸してから、入国審査を待つ間に買うこともできますし、一人で買えるか心配だという方は、出発前に日本で買っておくこともできます。

メールで送られてくるeチケットや、アプリに表示されるQRコードが乗車券代わりになり、ホームには改札口も無いので、乗車後、車掌さんにこのQRコードを見せればOK。

ICカードやおサイフケータイが普及している日本の鉄道に比べると、一見、ローテクに見えますが、様々な国からやってくる旅行者の視点で見ると、これは非常にユーザーエクスペリエンス(UX)が考えられた仕組みであることが分かります。

<QRコードが乗車券代わりに>

日本では、いまや、ほとんどの駅で、ICカードやおサイフケータイをかざせば、切符を買わずに改札を通ることができて非常に便利ではあるのですが、SuicaやPASMOなどのICカードも、海外から到着したばかりの外国人旅行者は、その恩恵を受けることはできず、券売機などでチケットを買わないと電車に乗ることはできません。

しかし、あえてそうしたICカードではなく、QRコードを切符代わりにすることで、PCやスマートフォンを持っている人であれば、たいていの人が使えるようになる、という訳です。

<パディントン駅>

本ブログでは、これまでも何度か「カーム・テクノロジー」という考え方を紹介しています。

このヒースローエクスプレスにおいても、「最新の技術」を前面に出すことにはこだわらず、多くの利用者の利便性を考えた上で、最もふさわしい技術を選択しているという点で、この「カーム・テクノロジー」の考え方が活かされていると感じました。

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、日本でも、外国人旅行者の増加が見込まれていますが、こうした「インバウンド旅行客」に向けたサービスを考える上では、外国人旅行者の視点でユーザーエクスペリエンスを考え、デザインすることが大切です。

みなさんも、ルグランと一緒に、世界に通用するUXをデザインしてみませんか?



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