現在放映中のNHKの朝の連続ドラマ『まんぷく』。ご覧になっている方もいるでしょうが、これはカップヌードルの産みの親である安藤百福夫妻の半生をモデルにしたお話です。
いま、ドラマでは、長谷川博己さん演ずる立花満平さんが、戦後の混乱期の中、大阪・泉大津で塩づくりを始めるかたわら、栄養失調に苦しむ人々を助けようと、「ダネイホン」という栄養食品の開発に乗り出します。
(『まんぷく』公式Twitterアカウントより:@asadora_bk_nhk)
カエルのエキスを抽出したり、試行錯誤を繰り返しながら、ようやく完成した「ダネイホン」ですが、とても「美味しい」と言える商品ではなかったらしく、価格の高さもネックになって、全く売れません。
そうした状況を、橋爪功さん演ずる大阪商工会の三田村会長に報告に行ったところ、会長からは、次のような言葉が返ってきます。「これを欲しがる客は誰なのか、どこにいるのか、それを考えなさい。やみくもに売ろうしても結果は出ないよ。」さすが、経済界の重鎮、三田村会長。見事なUX志向で、萬平さんに適確なアドバイスをします。
確かに、栄養失調に苦しむ人がたくさんいるという点で、マクロ的に見れば需要はあります。でも、それだけで商品が売れる訳ではありません。
「UX視点で考える商品開発プロジェクト(岩手県・釜石市)」でも書いた通り、
●誰が必要とする商品なのか?(ターゲット)
●誰がいる場所で売るのか?(販売チャネル・方法)
●誰が払える価格にするのか?(価格)
を考えずに、やみくもに商品やサービスを開発・提供しても、本当にそれを必要としている人には届きません。
ちなみに、ドラマでは、安藤サクラさん演じる、萬平さんの妻、福子さんから「病院で売ったらどうかしら?病院なら、味よりも栄養価の方を重視してくれるはず。」というアドバイスを得て、ダネイホンの販売はようやく軌道に乗ります。
私たちも、三田村会長や福子さんのように、クライアントさんに対して、UX視点で有益なアドバイスができるよう頑張っていきたいと思います!