2021.10.15 | クリエイティブ

皆さん、いかがお過ごしですか?
ついこの間まで、東京のコロナの感染者数が5,000人を超えていましたが、このところ、急速に減少。東京は100人以下の日が続いていますね。街には人が増え、徐々に活気を取り戻してきています。これはとてもいいことだと思うのですが、常日頃から、感覚ではなく「データに語らせる」ことの重要性を伝えてきている立場としては、感染者数の減少の理由がデータを基にしっかり分析されていないため、この状況をどうとらえていいのか、なんともスッキリしない気分です。

さて、ここ数年、弊社にはアパレル企業から「どうしたらモノが売れるようになるのか」というご相談をいただくことが増えています。コロナが原因で店舗に人が行かなくなる、なので売れない、ということもあるかと思いますが、売れない理由はそれだけでしょうか?

アメリカの新興アパレル企業「Revolve(リボルブ)」について、興味深い記事を見つけました。ファッションに全く関係ない創業者がなぜ、多くの既存のアパレル企業が売上減少に苦しむ中、業績を上げることができているのか。そこには、やっぱりね、という理由がありました。

 

データドリブンなのに、クリエイティブ

弊社のサイトに記載したキャッチコピー「データドリブンなのに、クリエイティブ」。5年以上前に、サイトリニューアルをした際に、弊社の泉が考えたものです。これまで、パートナー企業、また、弊社に応募してくる社員やインターンに弊社に興味を持った理由を聞くと、「データドリブンなのに、クリエイティブ」にピンときたという回答が多いこのコピー。コピーの好評の裏には、わかっていてもそれを実現することが難しい、という現実があるのかもしれません。

アメリカの新興アパレル企業「Revolve(リボルブ)」に話を戻すと、創立者2人とチーフブランドオフィサーの共通点はかつてビジネスで失敗をしていること。しかし、3人とも失敗にへこたれず、自分達の得意とすることを追求した結果がRevolveという、これまでにない新しいスタイルの企業の誕生に繋がったようです。

創立者の2人の共通点と強みは、テクノロジーと分析力。2人ともファッションに関する知識や経験はゼロでしたが、それはマイナスではなくプラスになると考えていたようです。徹底的に検索キーワードや消費者のオンラインでの行動を読み込むことで、ファッション業界の「ベテラン」と言われる人達よりも、遙かに早い段階で何をするべきか理解できていたとのこと。

データよりも、「ベテラン」の意見を中心に戦略を考えたことで、上手くいかなかったアパレル企業を多数見てきた私としては、耳が痛いコメントです。

さらに、2012年ごろから、当時まだあまり知られていないインフルエンサーマーケティングをマーケティング活動のメインにすること。また、通常のアパレル企業とは異なり、1,000人近くいる従業員の多くはデーターサイエンティストとエンジニアで、衣料品を販売するテクノロジーカンパニーのような組織になっているということも成功の理由だと言われています。

これからのビジネスの成功のカギは、分析力テクノロジー、そして、クリエイティビティ。

この3つがあって、上手くいく。しかも、分析ができます!という、程度ではなく、かなりレベルの高い分析力と分析を面白がる人材が必要になっていくでしょう。

 

シビアなユーザー達の心を掴むには?

多くの企業がターゲットとするZ世代。今年大学2年の我が姪もZのまっただ中。未だに大学ではリモート授業が続いているようで、ファッションに興味があるのに、おしゃれをして行く場所がないと嘆いています。彼女曰く、アクリル板だらけのカフェに入っても気分があがらないと。w

彼女に大手百貨店や大型商業施設が出しているファッションアプリについて聞いてみたところ、全く使っていないとのこと。ダウンロードしたら割引、みたいなオファーがある場合は、とりあえずダウンロードをするけれど、オファーを使ったら即削除。

アプリ内によくあるショップスタッフのコーデ提案について、参考にしているかどうか聞いてみたところ、「ショップの人のコーデには全く興味がない」とバッサリ。

では、どうやって情報収集やショッピングをしているかというと、やはりインスタ。しかも、情報収集はフォローワー数が多いインフルエンサーではなく、フォロワー数が少ないけれど、自分と感覚が合う人をフォローし、アイテムを購入するとのこと。

インフルエンサーマーケティングもフォロワー数が多い=影響力があるという時代が終わり、フォロワーが少なくても感覚が合う人を多数集めるナノインフルエンサーに変わりつつあるようです。

アプリのダウンロード数が多いとか、アップしているコーデの数が多い、みたいなことで成功だと信じている企業はまだまだ、データの読み込みが足らないのではないでしょうか?

 

気象データとユーザー行動から見えてくるマーケティング戦略

ルグランでは、この夏、気象データを活用した「気象連動型広告配信ツール weathermarketing.net」をロンチしました。気象は唯一無二の近未来予測ができるデータ。これを活用することで、消費者に少し先に起こることを事前に提案することが、これからのマーケティングには必要だと考えています。

働く女性の憧れのブランド「ADORE」では、昨年の実証実験からweathermarketing.netを活用。気象データが消費者の購買行動に影響を及ぼすという結果が出ています。

例えば、気温のアップダウンが激しい今の季節。消費者がそろそろ軽めの素材の長袖ワンピースを買う気分になる気象条件とはどんなものなのか、弊社のアナリストが徹底的にデータを分析し気象条件を設定。さらに、その気象条件に合わせたバナーやキャッチコピーを作成して広告を配信することで、気象に連動しない広告と比較して、コンバージョン率がはるかに高いという結果がでています。

アメリカの新興アパレル企業「Revolve(リボルブ)」が考える分析力とテクノロジーの重要性。そこに気象データを追加することで最強のマーケティングが実現するかもしれません。

いずれにしても、データを本気で読み込む。これなしにビジネスの発展はないですね!

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