2016.03.24 | ビッグデータ
3月26日に迫った北海道新幹線の開業。そこで、今回は、ブログやTwitterなどのクチコミデータから、その話題度や注目度を、1年前に延伸開業した北陸新幹線と比較してみることにしました。


今回も分析には、ホットリンク社のソーシャル・ビッグデータ分析ツール『
クチコミ@係長』のデータを使用しています。(期間はいずれも開業日の6日前~33日前までの4週間を比較)

まず、ブログへの書込数の推移を見ると、下図の通り、開業約4週間前に大きな山があり、一旦沈静化した後、開業1週間前頃から、急速にクチコミ量が増えていくという大きな流れは、北海道新幹線にも北陸新幹線にも、共通して見られる傾向です。

ただ、クチコミの総量を見ると、北陸新幹線が北海道新幹線を大きく上回っており、その差は、約2倍近く開いています。

<ブログ書込数の推移>

開業約4週間前の山は、指定券の予約受付開始に関連したもので、書込の中身を見てみると、いずれも開業日の一番列車の指定席が、受付開始から30秒で完売したといったニュースが注目を集めています。

ただ、北海道新幹線に関しては、開業日でも、午後の列車なら予約はできた、といった書込も散見されました。

その後、北陸新幹線については、開業約2週間前にも大きな山が見られますが、これは、2015年2月27日~28日にかけて、TBSの『世界ふしぎ発見』や、NHKの『金曜eye』(首都圏ローカル)などの番組で、北陸新幹線開業に関する番組が相次いで放映された影響も大きいと考えられます。

一方、Twitter での書込をみると、面白いことに、ブログほど大きな差は開いていません。

<Twitter 書込数の推移>

「平常時」においては、ブログと同様、北陸新幹線のクチコミ量が北海道新幹線を上回る日が目立ちますが、開業20日前の2/22や、11日前の3/3に書込が急激に伸びていることで、期間中のクチコミ総量としては、北陸新幹線に迫る結果となっています。

2/22には、北海道新幹線の終着駅のある北斗市でのゆるキャラ『ずーしーほっ きー』(ホッキ貝のにぎり寿司をイメージしたゆるキャラとのこと)の写真がTwitterに投稿されたところ、そのちょっと不気味な風貌が注目を集め、ネット上でも話題になりました。

また、3/3には、精巧なフィギュア制作で有名な海洋堂とのコラボによる『北海道フィギュアみやげ』シリーズに、北海道新幹線やGLAYのフィギュアなどの新シリーズが追加されたという発表が注目を集めました。

一方、ブログへの書込を地域別に見てみると、北海道新幹線も北陸新幹線も関東からの書込が最も多いという点は同じですが、北海道新幹線については、東北地方からの書込の多さが目立ちます。Twitter についても同様の傾向です。

<地域別のブログ書込数>

北海道新幹線については、その所要時間について、飛行機か新幹線かの選択の分かれ目となる「4時間の壁」を超えられなかったことを北海道新幹線の「弱点」だとする論調も散見されます。

ただ、これはあくまでも東京を起点にした話であり、東北や北関東を起点にした場合、新幹線の開業によって、北海道へのアクセスは大きく改善すると言われています。

東京からの距離・時間が長いことや、函館までの開通であることなど、北陸新幹線に対して、不利な要素もありますが、アクセス改善のメリットが大きい東北地方へのアプローチを強めること、また、話題性のあるキャラクターを上手に使うことなどにより、まだまだ、北海道新幹線への注目を高められる余地はありそうです。

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2016.03.24 | UX
UXランキング(航空会社編)の個別 ランキング解説。バニラ・エアとは1 点差で第6位となったのはエアアジア・ジャパンでした。

同社はマレーシアに本拠を置く格安航空会社(LCC)で、2012 年にANAとの 提携により日本市場に参入しましたが、翌年には提携を解消。その後、楽天などの出資を得て、中部国際空港を拠点に日本への再参入に向けて準備中ですが、昨年末には経営トップが交代。本年4月と言われていた就航予定も夏に延期されるなど、就航開始までの道程は、まだ視界不良が続いているようです。

こうした事情から、まだ厳密な意味では日本での「開業前」という状態にあるせいか、ウェブサイトには、本国のサイトを「翻訳」したということが感じられる粗さも目立ちます。

<エアアジア・ジャパンTOP ページ>

それでも、本国のサイト自体が、ユーザーエクスペリエンスも考慮された設計となっているため、たとえば、予約フォームでは、出発地→目的地→出発日などを、順次リストやカレンダーから選択できるようガイドされるなど、使い勝手は悪くありません。

エアアジアは、アジアを中心に、多くの国・都市に就航していますが、出発地を選ぶと、その出発地から選択可能な目的地が自動的に絞り込まれて表示されるようになっている点にも工夫が感じられます。

<使い勝手の良い予約フォーム>

ただ、選択した日付に該当するフライトもしくは空席が無い場合、「いつなら予約できるのか」が分かりにくく、この点は改善が望まれます。

エアアジア・ジャパンの最大の難点は、モバイル対応が全くできておらず、スマホで閲覧しても、PCサイトが表示されてしまう点です。ちなみに、今回調査対象とした8社の中で、モバイル対応が全く行われていなかったのは、エアアジア・ジャパンと春秋航空の「外資」2社でした。

<スマホで見たTOP ページ>

また、PCサイトでは、出発地をリストから選ぶことができましたが、スマホから閲覧すると、残念ながら、この機能は使えなくなってしまいます。その代わりに出発地を入力するようキーボードが表示されますが、「東京」や「成田」と入力しても成田空港は表示されず、「NRT」という空港コードを入れたら、ようやく成田が表示されるなど、入力・検索機能にも改善が必要です。

<スマホでの出発地入力はちょっと面倒>

来たるべき本格的な日本参入に向けて、モバイル対応が急がれることは言うまでもありませんが、せめて、入力が面倒なスマホでの閲覧こそ、出発地などをリストから簡単に選べるようにするだけでも、使い勝手はかなり改善されるでしょう。

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2016.03.24 | UX
2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックは世界的な祭典ということもあり、世界中から多くの観光客が日本に来ることが予測されています。


北米旅行雑誌「トラベル・アンド・レジャー誌」の読者アンケートでは、京都がフローレンスやローマを抑え、人気観光地ランキング1位に選ばれ、また、2014年には年間観光客数が過去最高の5,564万人を記録(京都観光総合調査)するなど、京都人気の勢いは止まらない様子です。この背景には京都が世界で影響力の強いトラベル・アンド・レジャー誌に2年連続で掲載されたことはもちろんのこと、京都が海外から訪れた旅行者等の期待通り、あるいは、期待以上の場所であったと言えるのではないでしょうか。

京都人気に拍車がかかる中、京都以外にも日本には素晴らしい場所が沢山あるが、実際に人気観光地として取り上げられないのは何故でしょうか。

その一つには、海外向けに作成された観光動画のコンテンツの多くは京都、大阪、東京などの主要な観光地をメインにしたものばかりであること。また、海外の人達が何を求めて日本を訪れているのか充分に理解せずに、誤った情報を発信しているのではないでしょうか?
日本政府観光局のデータによると、中国などアジアを中心に訪日ブームが続いていることから、2015年の訪日外客数は前の年から大幅に増加しているとのこと。一見すると日本のインバウンドには明るいように見えますが、中国からの海外旅行者に占める日本のシェアは4%前後。ベイン・カンパニー・ジャパンがまとめた記事によると(日経MJ3月9日付)
海外へ旅行に出掛ける中国人の9割以上は日本以外の国や地域を選んでいて、必ずしも海外の旅行者にとって日本は魅力的に映っていないことがわかります。

また、トラベル・アンド・レジャーのブログ記事には、世界各国を旅行しているトラベラーの多くは、訪れる場所に受け継がれている歴史を理解し、まだあまり知られていないその土地の良さを発見したいという気持ちを強くもっていると書かれています。日本に来る観光客の多くは、ありのままの日本を知り、新たな発見をしたいと思いを持っているといった内容の記事もあり、アニメやエンターテーメントを求めに日本に来るといった内容のブログは見当りません。

今、海外観光客の中で日本人でもあまり行かなくなった「銭湯」が密かに人気のスポットになっているそうです。その理由としては、銭湯は、素朴な日本の良さ、リアルな日本を感じられる場所だからだと思います。

実際に「augment5 Inc」が作成した動画の海外からの反応はというと、「Delightful. Well done!」、「Beautiful...amazing Japan.」といった称賛するコメントが多く、外国人観光客がありのままの日本を知りたがっていることがわかります。

 
2016.03.17 | サーチ
リスティング広告の運用を行っている方であれば、既にご存じかと思いますが、Google は、2月20日以降、PC の検索結果画面の右側に置かれていたリスティング広告の表示枠を廃止すると発表しました。


リスティング広告の表示件数は、最大でもページ上部に4つ、下部に3つに減るため、上位の表示枠を巡って、価格競争が激しくなるのではないかと予想されていました。

今般、カナダに本拠を置く広告管理ツール会社Acquisio社が、自社のプラットフォームで管理されている約9万件のキャンペーンを分析し、アドワーズで1位~4位に掲載されている広告のクリック単価は10.5%上昇し、クリック率も4.5%上昇している、という調査結果を発表しました。(2016年1月21 日~2月17日までの4週間と、2月19日~3月3日までの2週間を比較)

ルグランは、日本で最初にAcquisioを採用したデジタルエージェンシーであり、リスティング広告やFacebookをはじめとするディスプレイ広告のモニタリングやレポーティング・管理運用には、同社のプラットフォームを使っています。


このAcquisioには、予め設定した目標に対し、機械学習によってキャンペーンを自動的に最適化するBBM(Bid & Budget Management)という機能があります。

今般、Acquisioでは、BBMの自動最適化機能を適用したキャンペーンと、そうでないキャンペーンの比較調査も行っていますが、その結果を見ると、下図の通り、BBMを使うことで、上位4位以上に広告が掲載された場合でも、クリック単価の上昇を約37%も低く抑えることができました。

<上位4位以上に掲載された広告の変化>

ちなみに、掲載順位が5位以下になると、インプレッション数は32%、クリック数は45%減少しています。(BBMによる最適化が無い場合)もし、売上や集客への貢献度が高いキーワードからの流入が45%も減ってしまったら、死活問題にもなりかねません。

とはいえ、やみくもに入札価格を上げて上位掲載を狙えば、今度はクリック単価が高騰し、費用対効果が悪化してしまいます。そういう場合に役に立つのが、キャンペーンの予算やキーワードの入札価格などを調整・最適化してくれるBBM のような自動化最適化ツールです。

もちろん、広告の費用対効果は、キーワードの設定やマッチタイプの選択、品質スコアを高めるためのキャンペーンや広告グループの構成、効果の高い広告文やリンク先ページを見極めるためのA/Bテストや多変量解析の実施、等々、様々な要因の影響を受けます。

ルグランでは、リスティング広告が日本に上陸してから今日まで、13年に渡って、リスティング広告の管理・運用に携わり続けてきました。その経験を踏まえて蓄積された知見・ノウハウと、Acquisioの機械学習による自動最適化機能を適切に組み合わせることで、お預かりしているキャンペーンの効果を最大化・最適化するお手伝いをしています。

アドワーズの仕様変更によって、入札価格の高騰やクリック数の減少にお悩みの方、自動最適化ツールも組み入れたキャンペーンの運用や最適化にご興味のある方、そして、日本でも随一のノウハウを持つ、ルグランにキャンペーンの運用を相談して見たい方、等々、この機会に、ぜひご相談下さい。

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リスティング広告の運用に関するご相談はこちらから 
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電話:0120-066-898(フリーダイヤル)

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2016.03.10 | UX
UXランキング(航空会社編)の個別ランキング解説。第5位にランクインしたのはバニラ・エアですが、後に続くエアアジアジャパン・ピーチアビエーションを含め、5位~7位のLCC3社の評価は僅差となっています。

バニラ・エアのサイトは、良く言えば、ストレートでシンプルなデザインという印象ですが、一方で、全体的に手抜き感のあるUIという印象も受けます。

<バニラ・エア PC サイト>

例えば、ページの右上に配置されているハンバーガーメニュー。タブレットやスマートフォンなどモバイルユースを意識したデザインかと思いきや、実際にはページの真ん中にあるメニューリスト部分に遷移するだけなので、PCサイトで表示させる意味は余り無いように感じます。

<バニラ・エア PC サイトのメニュー表示>

一方、モバイルサイトでこのボタンを押すと、PCサイトに比べると「ハンバーガーメニューらしい動き」はしています。

<バニラ・エア モバイルサイトのメニュー表示>

ただ、表示されたメニューリストの中に、他のメニューとは全く見た目が異なる形で、ホテル・レンタカー予約に誘導する「バナー」が表示されてしまっているため、メニュー全体の統一感が崩れ、結果的に、メインメニューとサブメニューの関係など、表示されている情報の関係性が直感的にわかりづらくなってしまっています。

一方、PCサイトでは、通常の予約フォームに加え、ページ中央から行き先を選ぶと、自動的に日付や価格などを見ながら、搭乗便を選択できるようになっています。(就航地が少ないからできるという面もありますが。)

惜しむらくは、照会期間を「1ヶ月」にしても、どうやら当月末までの期間を表示する設定になっているようで、2/28に予約をしようとすると、翌日の2/29の1日分しか料金グラフが表示されない点でしょうか。とはいえ、各月の最低料金を横線で表示し、それぞれの日の料金がどのくらい高いかをビジュアルで分かりやすく表示している点は評価できます。

<バニラ・エア 搭乗便の選択画面(PC)>

一方、モバイルサイトにおいては、PCサイトのトップにある「予約フォーム」は表示させず、予約メニューに表示された選択肢をタッチしていくと、自然に予約完了までの流れをたどれるナビゲーションにしている点は、モバイルのユーザーエクペリエンスに対する考慮・配慮が感じられる作りになっています。

<バニラ・エア 搭乗便の選択画面(モバイル)>

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