2020.11.12 | コラム

皆さん、いかがお過ごしですか?
前回、コロナ禍における企業・人々の変化についてブログを書いてからあっという間に半年が過ぎました。コロナが発生した2月頃は、山中教授の「マラソンのような長期戦になる」というコメントに半信半疑でしたが、既に、年末。引き続き体力を温存しながら、見えないゴール向かって走っていかなければならないようです。一方で、コロナによって気づかされたこともいろいろ。これまで決めかねていたことに踏ん切りをつける機会になっているとも言えます。

コロナで変わった働き方

弊社も3月から完全リモート。相手と内容によってリアルな打合せを行うというスタンスでこれまでやってきました。リアルな打合せ用にミーティングテーブルにはアクリル板を立て、打合せ時には室内の窓と入口のドアを開け、二酸化炭素の濃度を測るセンサーを設置し、換気のタイミングを把握するといった体制で臨んできました。通常のタスクは週に一度のスタッフ全員参加のZoomミーティングで確認。日々のコミュニケーションは、Yammerをはじめ、いつくかのツールを活用。コロナ前から地方や海外のスタッフとビデオ会議で仕事を進めていたこともあり、スムーズにリモートワークへ切り換えることができました。

これからはオフィスではなくサロン

リモートで仕事をするメリットは、通勤やクライアントとの打合せの移動時間がないため、本来の仕事に使える時間が増える。そして、集中もできる。一方でデメリットは何かというと、私個人としては、毎朝、コーデを考え、それなりに意識して家からでるというモーメントが減ったことでしょうか。

いずれにしても、オフィスで全員集合しなくても仕事ができることがコロナを通じて明確になったことは、今後の働き方に大きな影響をあたえることは確実です。弊社も今のオフィスを解約。今後はオフィスという概念は持たず、チームやクライアントと必要に応じて集まることができるサロン的な場所を作る予定です。

コロナで変わる消費者行動

リモートワークという働き方がもたらすメリットは想定以上に多いと実感している一方で、どうしてもリモートではできないこともあります。大切な人達と会って話をする・食事をする、また、初めて仕事をするクライントやパートナーと良い関係を構築するためには、やはり、最初はリアルな顔合わせがあった方が、その後のコミュニケーションがスムーズになる気がします。また、コロナが収束するまで、人と会わない、外食しないとなると、コロナには感染しないけれども、ストレスが溜まってしまいそうですよね。現状を踏まえ、必要以上に怖がらずに行動するためには、大切なことは、やはり「三密」を回避することなのでしょう。

「三密」を避けるためのアクション

厚生労働省は以下のような状況を三密と定義しています。
1. 換気が悪い密閉空間
2. 多数が集まる密集場所
3. 間近で会話や発声する密接場面
この3つを避けましょうと言っていますが、1の換気が悪い密閉空間を避けるための具体的な方法については、明確になっていないようです。(2は1.5メートル以上の距離を取る、3はマスクをするという回避方法があります。)

換気が悪い空間とは、どんなところで、また、換気を良くするためにはどうしたら良いのかということが分からないと必要以上に心配し、外出を避け、それにより立ち行かなくなる飲食店等が増えるということになりかねません。

大切なことはデータの見える化

厚生労働省が定める建築物環境衛生基準によると、建物内の空気環境について、CO2濃度は1,000ppm以下に保つことが推奨されています。店舗のCO2濃度が1,000ppm以下であれば、密閉空間は避けているといえますが、データが見えない状況では、消費者はやはり心配です。また、店舗側はいつ、どのぐらいの時間をかけて、換気をするべきなのか分からないということが起きてしまいます。これから寒さが厳しくなる中、常にドアをあけておくことが果たしてお客さんにとって良い事なのかどうかを判断するためにも、やはりデータが必要になりそうです。

『seeO2now(シーオーツーナウ)』で課題を解決

しばらく続きそうなwithコロナ時代。回避方法を常に意識した行動をとることで、たまには、お友達とお茶を飲んだりしながら時間を過ごすことで、ストレスを溜めずに乗り越えられると思います。そして、そのためには、店舗や施設の三密状況を可視化することが大切。

ルグランでは、私達が少しでも安心して過ごせるように、CO2濃度を測定できるIoTセンサーを活用し、店舗や施設の室内環境を可視化、データに基づいて適切な換気を支援するための新たなサービス『seeO2now(シーオーツーナウ)』を立ちあげ、12月上旬からサービスをスタートします。

このサービスは、飲食店や美容室・クリニック・スタジオなど「密になりそう(と思われがちな場所も含め)」な場所にCO2センサーを設置し、センサーから収集されるCO2データから、店舗や施設の三密状況(特に密閉や密集)を可視化するものです。ドアや窓を常時開放しての営業が難しくなる冬場に向けて、店舗・施設の運営者が、データを見ながら、適切なタイミング・方法で換気や利用人数の制限などのアクションを取れるようなります。(既に渋谷近辺の飲食店や美容室・クリニックで実証実験を行っています。)

このサービスが店舗や施設、そして、消費者の両方が安心して行動がとれるきっかけになればと思っています。

seeO2nowのトップページ(予定)

関連ブログ:冬のコロナ対策は換気が重要~室内の空気環境をデータで可視化

【コラム】

11月11日は検索連動型広告のパイオニアである「オーバーチュア」というアメリカの会社を立ちあげ、日本のネット業界に大きな影響を与えた私の元上司の鈴木茂人氏の命日になります。リスティング広告が日本でスタートしたのが2002年。既に18年が過ぎ、今では「オーバーチュア」はグーグルより先にリスティング広告を開発した会社だということを知る人も少ないと思いますが、鈴木氏は、オーバーチュアが開発したビジネスモデルを日本の代理店や広告主のニーズに合わせて変えることで、新たな市場を創ることに成功した日本のネット業界の立役者でした。
また、鈴木氏は数々の米系トップ企業の中で荒波を乗り越えながら、輝かしい業績を残してきました。外資系企業はトップの交代や合併等、さまざまな波が頻繁に起きますが、鈴木氏はどんな事にも動じず、過去にとらわれず、考えを切り換えていく人でした。

今、彼がいたら、きっとコロナをチャンスと捉え、様々な新しいアイディアを出し続けていたでしょう。これからも彼のスピリットを忘れず、新たなサービスを開発していきたいと思います。



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