2018.07.27 | イベント

本ブログでもお知らせしていますが、毎年この時期に開催しているカンヌライオンズの最新情報をお届けする『カンヌライオンズ報告会:新生カンヌはどう変わったのか?総合的な分析をどこよりも早く』。今年は8/1(水)に渋谷で開催します。

カンヌライオンズといえば、テレビCMなどを審査する「フィルム部門」を思い浮かべる方も多いでしょうが、2011年からは「カンヌ広告祭」→「カンヌ国際クリエイティビティフェスティバル」と名前も変わり、近年は、コミュニケーションやPRに関するクリエイティブな取組・仕掛けといったものも、広く審査・評価の対象になっています。そのような流れの中で、今年から新設されたのが『Creative eCommerce』という部門です。この部門では、

「データや技術などを使って、秀逸なユーザーエクスペリエンス(UX)やカスタマージャーニーを実現することで、優れたネットや店舗でのショッピング体験を提供し、その結果、売上の向上につながった施策」

が評価の対象となっており、この部門の受賞作をチェックすることで「新たなショッピング体験の創造に向けた世界各国の先進的な取組」の一旦を垣間見ることができそうです。本年度の受賞作については、セミナー当日に詳しくご紹介をしたいと思いますが、ひとつ感じることは、より良いショッピング体験の提供には「ネットとリアルの垣根を超えた取組み」が求められているということ。

もっとも、私たちの普段の生活を考えてみれば、これは至極当然のことで、みなさんも、「これはネット」「ここはリアル」などと意識をして日々生活している訳ではありませんよね。たとえば、スマホでGoogleマップを開いて、待ち合わせ場所に向かうといったことは、普通に行われていますが、スマホの普及によって、場所を選ばず、常時、誰でもインターネットに接続できるようになった今日、多くの人は、もはや、Googleマップを見ている時に、インターネットに接続しているという意識すら無いのかもしれません。

一方、企業やマーケターに目を向けると、いまだに「デジタル〇〇部」とか「ネット〇〇室」といった名前を冠した部門や組織があり、「中の人」達からは「リアル側を担当する部門の人たちとうまく連携できない」みたいな話が聞こえてきます。

今年、カンヌライオンズで、「Creative eCommerce」という部門が新設された背景には、「あなた達は、いつまでネットとリアルなんて時代遅れの線引きをしているの?」という企業やマーケターへの問いかけでもあるのかもしれません。たとえば、今回本部門で「ブロンズ」賞を受賞した”Fotawa”というスペインのデリバリーサービス。

<Fotawaのサイト>

PCやスマホのカレンダーと連携することで、ランチタイム前後のスケジュールを見て、外に食べに行く時間がなさそうな日に、ランチのデリバリーを提案するというもの。

「コロンブスの卵」的なアイディアですが、

①会議やミーティングというリアルのイベントと、

②それを管理するカレンダーというデジタルの情報を連携させ、

インターネットでオーダーすると、

リアルにランチが配達される

という、まさにデジタルな技術を使って、ネットとリアルの世界をシームレスに結びつけ、「時間がないけど美味しいランチは食べたい」というユーザーの課題を解決するという、新たなUXの提供に繋げた好例と言えるのではないでしょうか?

8/1(水)のセミナーでは、その他にも、Creative eCommerce部門の受賞作の中から、UX的に優れた新たなショッピング体験を創出している事例をご紹介しながら、これからのショッピング体験について、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

なお、本セミナーは有料となっており、参加には事前のお申込みが必要です。

参加申込ページはこちら(※残席残りわずかです。ご興味のある方はお早めにお申込みください。)

また、本セミナーに登壇される多摩美術大学教授・佐藤達郎さん、ワントゥーテンデザインCEO 小川丈人さんとの事前対談記事も、あわせてご覧下さい。

事前対談記事1: 多摩美術大学教授 佐藤達郎さん

事前対談記事2: ワントゥーテンデザインCEO小川丈人さん



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