2018.12.25 | UX

いまルグランには、このようなご相談が多く寄せられています。

UX視点で、ECサイトやコーポレートサイトを改修したい

UX視点で、新サービスのアプリ画面を設計・デザインしたい

UX視点で、グローバル企業の日本語サイトをローカライズしたい

UX視点で、業務管理システムの画面設計を考えたい

UX視点で、BIツールの情報表示画面を最適化したい、等々

最初は「誰にとっても使いやすいサイトやアプリ・サービスにして欲しい」というご依頼を頂くのですが、ほとんどの場合「誰にとっても」使いやすくするためには、「1人ひとり」のニーズや要求あるいは状況・環境に合わせた構造設計・情報設計を実現することが不可欠だ、という結論になります。

たとえば、「10代〜50代までの女性が幅広く利用する可能性のあるファッションECサイトのスマホ画面のデザイン」を例に考えてみましょう。これまでPCをメインに利用してきたシニア層と、スマホネイティブなジュニア層とでは、同じスマホサイトを見ても、当然のことながら「使いやすさ」の感じ方は全く異なります。また、検索エンジンを使って、欲しい商品や情報を絞り込んでいくという探し方が当たり前のシニア層と、Instagramで出会った商品やお店に惹かれるジュニア層とでは、商品の見せ方・探させ方を変えなければ、両方を満足させることは難しいでしょう。

一方で、AIの普及やパーソナライズ技術の進化によって、1人ひとりのユーザーや顧客の興味・関心や好み、あるいは状況などを把握・理解して、最適な情報や商品を呈示するためのハードルはどんどん低くなっています。

こうした変化に気づかず、ユーザーや顧客をひとまとめにした、ワンパターンのUXデザインしかできないウェイブサイトやアプリ・サービスは、近い将来、競争力を失い、市場からの撤退を迫られるでしょう。

とはいえ、あらゆるビジネス課題と同様、これもAIに「丸投げ」したところで解決できる訳ではありません。このような「AI時代のUXデザイン」を成功させるため、私たち人間には、以下の3つの力が求められています。

1.ペルソナの設定力

UXデザインによって、どういうユーザーや顧客の課題を解決するのかを突き詰めるためには、まずは、誰がユーザー・顧客なのかを明確に理解・定義する必要があります。ペルソナ作りの重要性については、ぜひ、以下の記事もあわせて読んでみて下さい。

UXはデザインではなく経営の課題

生き生きとしたペルソナを生み出す6つのポイント

2.シナリオの設計力

ペルソナ像が見えてきたら、個々のユーザーや顧客に対して、どういうタイミングで、どういう商品や情報を提示するのかというシナリオ作りに入る訳ですが、残念ながら、ここで、つまずくマーケティング担当者・ウェブ担当者が少なくありません。

例えば、配信メールの内容を男女別に分けるという手作業でもできることすら出来ていない場合、どんなに高度なパーソナライズシステムやAIを入れたところで、結局、すべての人に同じメッセージを配信することしか思いつきません。

3.データの検証力

AIが最適なユーザーとシナリオの組合せを学習して、最適化をしてくれることもありますが、そうした最適化が、本当に目指すビジネスのゴールに向かっているかを検証・確認するためには、私たち自身も、適確にデータを検証できる力を持つことが重要です。

東京オリンピック・パラリンピックの開催も近づき、ますます多くのインバウンド観光客が日本を訪れることも予想され、今後は、一人ひとりの言葉や文化の違いにも対応した、きめ細かなUXデザインが求められるようになるでしょう。

ルグランでは、2019年も、みなさんと一緒に、AI時代のUXデザインを成功に導けるよう努力と工夫を重ねていきたいと思います。



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